究極の汚し系プラグイン!!McDSP FutzBox

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スタッフY です。

私自身、EQ などのミックスで使用するエフェクトの多くは、素材をより良くするための「女性のメイク」に近いイメージです。

ただ、ここで面白いのは、汚すメイクというのはありえないのに、ミックスにおいて音を汚す処理というのはものすごく重宝されるものだというところですね。

音を汚すと言っても、その汚し方は色々あります。EQ でハイとローを切ってラジオボイスのような効果を出したり、歪み系で音を汚すというのも考えられます。ギターの歪みに関しても音を汚していると言えますので、汚すという効果は音作りにおいて切っても切り離せない効果だと言えます。

そんな切っても切り離せない汚し系プラグインというのは各社色々ありますが、今回ご紹介するMcDSP FutzBox はその中でも真っ先にオススメ出来る汚し系プラグインです!!

FutzBox – Media Integration, Inc.
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SIM による膨大なインパルスレスポンスを搭載

McDSP FutzBox はSIM(シンセティック・インパルス・モデル)のセクション、後段のFutz モジュールセクション(EQ やディストーションなど)に大まかに分かれます。

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そんな中、やはり目玉はSIM(シンセティック・インパルス・モデル)という技術による膨大な機種のインパルスレスポンスでしょう!!

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上記をご覧頂ければ分かるように、その種類も電話からテレビ、ラジオ、イヤホン、スピーカー、おもちゃなど、あらゆるカテゴリーのあらゆる機種のインパルスレスポンスが収録されています。これによって、あたかもそこから出ているような音が簡単に出せる訳です!!

さらに、このSIM によるインパルスレスポンスの周波数特性を即座に変えることができ、これにより、SIM による音作りが格段にやりやすくなっています。

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ということで、このSIM による音の一例を聴いてもらいましょう!!

用意したのは上記のApple Loops。(コレ自体、若干歪んでるんだけど)これにSIM の中からシルバートランジスタラジオを選択してみます。

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SIM を適用しただけだと入力ソースによっては「もうちょっとこうしたい」という要望が出てくる場合もあるでしょう。今回はコモリ気味の音をTUNE を変えることで調整してみました。

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このようにリアルなインパルスレスポンスでありながら、即座に自分が欲しいようにそれ自体の周波数特性を変えることが出来る訳です。

膨大なインパルスレスポンスをが収録されている上に、このように周波数特性まで変えれてしまう。音作りの幅の広さを感じて頂けるのではないでしょうか。

またSIM を通った後のLo-Fi セクションではサンプリング周波数、ビットデプスの変更なども可能です。

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Futz モジュールでさらに音を加工しよう!!

上記のSIM による音の加工だけでもお腹いっぱいですが、このFutzBox ではさらにFutz モジュールセクションによるエフェクト処理が可能です。

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ここではEQ 処理(フィルター)を施したり歪みを足してみたりと、さらに強烈な音にすることも出来ますね。

ということで、先程のボーカル素材を使用してSIM を他のラジオに変え、さらにEQ や歪みで音を積極的に加工してみました。

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このFutzBox では上記のようにFutz モジュールで設定したEQ 特性を視覚的に把握出来ます。

さらに、このFutz モジュールの面白い点として、フィルターで音色調整可能なノイズジェネレータが搭載されています。

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正直使いどころは限られてくると思いますが、例えば、SIM でトランシーバーを選んだ上でノイズジェネレータを使用し、ノイズのみにかかるゲート効果によってザザッ・・・ザザザーといった接続の不安定なトランシーバを再現することが出来ます。

曲中で使う場合は飛び道具的な使い方になりそうですね。ナレーションなんかではかなり面白い効果が期待できると思いますよ。

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激しく加工するも良し!質感を変える程度でも良し!

FutzBox ではSIM による質感の付加からここぞ!という過激な処理まで、これ1 台で全て補えてしまう程のポテンシャルを持っています。

この記事ではボーカルソースに適用してきましたが、もちろんあらゆるソースで使用することが出来ますよ!!

上記のエレピを以下のようにSIM やフィルターを適用して質感を変えてみます。

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どうでしょう?音を汚すと聞くとどうしても過激な処理を連想してしまいますが、このFutzBox は決して過激な処理だけがウリな訳はなく、このような音楽的な質感を付加するのにも最適なプラグインだと感じます。

とても自由度の高い、まったく飽きのこないプラグインだと思いますし、このような質感の操作によって曲のクオリティもより向上すると思います。

今、巷で出回っている音源はどれもとても音が良い。良いからこそ、このような質感を変えるプラグインがあることで、使用する音色の幅が格段に増えるのではないでしょうか。

激しく加工するも良し!質感を変える程度でも良し!

我が師匠スタッフH 先輩の記事でもFutzBox の良さがとても分かりやすく書いてあるので、是非目を通してみてくださいね!!

たまにはミックスを「壊す」ことだって – Media Integration, Inc.