スタッフY です。
一生モノのソフトシンセOmnisphere 2 の発売も記憶に新しいSpectrasonics。私スタッフY もほぼ毎日Spectrasonics 製品を触っております。
さて、そんなSpectrasonics 製品の中で、今回はStylus RMX での音作りについての一例を書いてみようと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。
Stylus RMX でキックを太くする
Stylus RMX にはループ素材や単発の素材が入っています。これら素材自体、独特な質感を持っているのでそのまま使ってもいいのですが、これらを加工することでより良い音に仕上げることが出来ます。
加工する際はピッチやエンベロープ、FX などを駆使する形ですが、意外に力技でなんとかなってしまうのがStylus RMX の良いポイントです。
もちろん、どんな音源にも得意不得意があります。現代風の音についてはStylus RMX のコアライブラリでは不得意です。ただ、逆に言うとStylus RMX ではないといけない得意な音というのもある訳です。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はキックの音作りのひとつの例を書いてみようと思います。
加工する前のサンプルはこちら。
上記サンプルのキックの質感を太くしてみようと思います。
太くする場合、皆さんは何を使われますか?僕は必ずStylus RMX のEdit ページにあるPower Filter を使います。
このPower Filter は同じEdit ページで操作出来るMASTER FILTER よりも詳細に設定でき、キックの音を太くするにはもってこいなのです!!
Power Filter などを使って加工した完成形が以下になります。
どうでしょうか?加工する前と質感が変わっているのがお分かりになるかと思います。もちろん、加工前のままでも良い音ですが、このようにサンプルをエディットすることで自分の求めている音に近づけることが出来ます。
今回は主に3 つのポイントで音を加工しました。
まずがサンプルのピッチ。Stylus RMX では半音単位、Fine を使ってピッチを調整出来ます。今回は音を太くしたいので、サンプルのピッチを若干下げています。
次にPower Filter のローパスを使って音を加工します。ここでのフィルターのかけ具合で音が結構変わるので、ちょっとだけ神経質になって調整します。
このPower Filter はよくあるフィルターと同じようなパラメータがなので分かりやすいかと思いますが、width の値によってフィルターの質感が変わるので、cutoff とwidth を上げ下げして気持ちいいポイントを探ってみて下さい。
ここら辺は直感的にやるのが吉です。
他にDRIVE があります。ここで微細な歪を足すことも出来ますよ。
ここまでで基本となる音は出来ていますが、ローパスフィルターをかけると良くも悪くもアタック感のない音になりがちです。
この太さを維持しつつアタック感も出したい場合、ディケイ短めのフィルターエンベロープを設定しましょう!!
このように音を簡単に加工していくことが出来ます。どんどん積極的に音を加工していきましょう。