リズムトラックでは高域をカットすることも考えよう

僕は当初、曲作りにおいて高域を強調したがる癖があった。それは「高域が鳴っていた方が音が良い」という認識があったからだ。

もちろん、高域を強調することで抜けの良い音に仕上がるのだが、そればっかりやっていると全部が前面で鳴りがちで、どことなく落ち着きのないうるさいサウンドになってしまう。

特に最近はビートメイキング時にそこら辺のことを考えるようになった。

※エフェクトOFF

※エフェクトON

上記の2 トラックは前日アップしたデモのドラムだけを抜き出したもの。ここで聴いて欲しいのは左で鳴っているシェイカー。

あるエフェクトを適用して高域を落ち込ませているんだけど、エフェクトOFF 時にはハイハットと同じような前後間で鳴っているシェイカーがエフェクトON 時には一歩後ろに下がっているように聴こえると思う。

ここら辺はボリューム操作でもいけそうな気がするかもしれないけど、高域が鳴っているとボリュームを下げてもずっと前で鳴っているような感覚になることが多い。それを高域をカットすることで後ろでさり気なくなっているように聴かせている。

特にゴーストノート的なパートでは高域をカットすると上手くいくことが多い。

で、ここから本題なのだが、高域をカットしようと思うと真っ先に思い浮かぶのがEQ による処理(ローパス)だと思う。ただ、リズムトラックに関しては他の色んな処理を駆使してエディットするとドラム全体として収まりの良い形になりやすい。

ここでは僕が日頃行っている処理をいくつか書いてみようと思う。

サンプルのピッチを下げる

リズムトラックの中でどうも浮ついて聴こえるといった場合、そのサンプルのピッチが曲の中で合っていない場合が多い。これはサンプルベースのリズムトラックだけではなく、歌モノの楽曲で使用するドラム音源でも似たような現象が起きる。

よってリズムトラックを作る場合はサンプルのピッチを考慮しないといけないのだが、後ろに配置したいものに関してはわざとピッチを下げて高域を落ち込ませる、ということをやることが多い。

20151227-1

ただ、ピッチを下げるだけで完成するということは僕の場合あまりない。ピッチを下げるとサンプルが間延びするのでエンベロープなどの処理をする必要が出てくるし、後述する処理を組み合わせて使用することが多い。

トランジェント処理で倍音を削る

リズムサンプルの場合、アタック部分が一番倍音が乗っている。それを敢えて削ることで高域を目立たなくさせ、音を奥に追いやることが出来る。

20151227-2

この場合、Sonnox TransMod のようなトランジェント処理(数msec 部分の処理)が出来るエフェクトを使うと良い。Maschine の場合はTRANSIENT MASTER というエフェクトで似たような効果が出せる。

場合によってはADSR のようなエンベロープ処理でも似たような効果が出せるだろう。

テープなどのアナログシミュを使う

手持ちに音を丸くするようなアナログ系シミュがある場合、それを適用するのも良い。僕はMaschine 付属のSaturator のテープモードを使うことが多い。

20151227-3

テープ系の場合、ロールオフの設定によって高域の落ち込み具合を変えることが出来る。特にMaschine 付属のSaturator の場合は、ロールオフの起点となる周波数を設定出来るので、トーンコントロールのように使うことが出来る。

最後に

僕がよく使う処理をいくつか挙げたけど、これ以外にもLofi エフェクトの適用、トーンコントロールのついたオーバードライブなどの歪み系エフェクト処理など色々使うことがある。逆にEQ によるローパスはあまり使わないかな。

今回挙げたような処理を複合的に使って、リズムトラックの鳴り方を整えることが多い。

もちろん、こういったのは曲の中でどのように聴かせたいか?を考えた上での処理なので、派手に聴かせたい場合はハイをカットすることなく前面に張り付かせるようにすることもあるだろう。

最初に挙げた挙げたエフェクトOn / OFF の2 トラックに関しても、シンセとか他のパートとの兼ね合いからシェイカーの高域を削らなくても良いという判断もありえる。

いわばケースバイケースなのだが、リズムトラックのサンプルのチョイスや処理によって聴こえ方も変わるので、丁寧に組むことで楽曲のクオリティーも上がるように思う。

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