音楽制作において、トラックの存在感を出すことは非常に重要です。きっと皆さんも、このプロセスをより効果的かつ簡単に行う方法を模索していると思います。
そこで、今回はSonnox Inflatorに焦点を当て、トラックの存在感を出す上での魅力と使いどころを解説します。
Sonnox Inflatorの魅力とは
音の存在感の重要性とコンプレッサーの課題
音楽制作において、音の存在感を上げることは極めて重要です。音が前に出ることで存在感が上がり、聴き手に良い音と認識されるためです。
最も簡単に存在感を上げる方法は、フェーダーを上げることです。ただ、それではすぐに0dBを超えてクリッピングします。そのため、通常はコンプレッサーやマキシマイザーを使い、ピークを抑えながら音量を上げることで存在感を出そうとします。
ただ、ピークを抑えるという特性上、波形が変わるため、原音に対する影響が多かれ少なかれ生じる欠点があります。
コンプレッサーの欠点を解決するSonnox Inflator
Sonnox Inflatorはコンプレッサーの欠点を解決しながら、音の存在感を上げることができます。
単にピークを抑えるのではなく、倍音を付加することで存在感を上げるため、原音に対する影響が極めて少ないのが特徴です。以下のように、入力に対して奇数倍音が付加されます。これが聴感上の存在感を上げる効果に繋がっています。
奇数倍音は音の輪郭や明瞭さに影響し、偶数倍音は温かみや耳馴染みの良さに影響する、といった感じです。一方でダイナミックレンジの観点でいうと、奇数倍音が増えると波形のピークが抑えられるためコンプに似た効果が得られ、いわゆるミックスの「一体感」を生み出します。
Sonnox Inflatorの使いどころ
主役にしたいトラックに使ってみよう
楽曲の中で、存在感を出したいトラックに使ってください。特に、楽曲の中で主役として前に出したいトラックに使うと効果的です。
ギター弾いてみた動画ではギターが主役。実は、僕はギタートラックにSonnox Inflatorをガシガシ使っています。フェーダーを上げるだけでは得られない存在感を出すことができるからです。
僕にとってはギターが主役ですが、歌っている人であればボーカルという具合に、人によって主役は変わると思います。また、楽曲によっても主役は変わりますよね。その主役をより引き立たせるように使ってみてください。