著名エンジニアのワークフローをプラグイン化したWaves Signature Series。これまで多くのSignature Series を実際に使ってレビューしてきました。



そんな中、まだ使ってないSignature Series があります。それが今回紹介するEddie Kramer Signature Series。数あるSignature Series の中で、Eddie Kramer Signature Series が一番汎用性が高く使いやすい。今まで使ってなかったのを後悔する程、チート臭溢れる強烈なプラグインです。

簡単操作で最高のサウンドを手に入れろ!!Eddie Kramer Signature Series
Waves Signature Series とは
冒頭で書いたように、著名エンジニアのワークフローをプラグイン化した製品。煩雑な調整は一切排除し、用意されたスライダーやノブを回すだけで、誰でも簡単にクオリティの高いサウンドが作れるのが特徴です。
実は、先日アップしたGreen Day Basket Case のカバーでは、ほとんどがEddie Kramer Signature Series 一発です。出音はもちろん素晴らしく、ミックスにかかる時間が大幅に短縮されました。
作業時間が大幅に短縮されるというのも大きなポイントで、Signature Series は出音の素晴らしさだけでなく、簡単操作だからこそ成し得る最高の時短ツールでもあり、その点が多くの人にオススメしたい理由になります。
Eddie Kramer Signature Series を使ってみよう
実際にドラム、ベース、ギターの基本3点を中心に、Eddie Kramer Signature Series を見ていきましょう。
Eddie Kramer Drum Channel
ドラム専用のプラグインです。ドラムのパーツに応じてキック、スネア、ハイハット、タム、ルーム、オーバーヘッドとタイプを切り替えながら使います。

Eddie Kramer Signature Series の中で一番衝撃を受けたのがDrum Channel です。驚くほど簡単に音が仕上がってしまいます。
※Eddie Kramer Drum Channel OFF
※Eddie Kramer Drum Channel ON
Drum Channel を使う前は古めかしいサウンドを連想していましたが、そうではなく、クリアでバキバキな汎用性のあるサウンドに仕上がります。これをイチから自分の手でやるのは面倒。それをDrum Channel ひとつで簡単に鳴らせてしまうんだから、このチート感がヤバい訳です。
Drum Channel のポイントは、ドラムのパーツに応じてタイプを切り替えることで、プラグイン内部の設定もそれに適した設定に切り替わること。要は、プラグインを通しただけで使える音になります。
※Eddie Kramer Drum Channel OFF
※Eddie Kramer Drum Channel ON
上記はスネアにDrum Channel をただ読み込ませただけ。何となく良い感じに仕上てますよね。で、ここで活躍するのが画面上部のFX パラメータ。
ニュアンス的にはパラレル処理に近く、エフェクト全体の加減をコントロールします。
Drum Channel を使う上で、FX パラメータが大きな役割を担っており、デフォルトの状態で効果がキツすぎると感じたら、FX パラメータを程よい所まで下げるだけ。あとは、必要に応じてEQ やコンプを触ってみる。やることはたったそれだけです。
このお手軽チート感は、使ってみて初めて感じる部分だと思います。
Eddie Kramer Bass Channel
ベース専用プラグインです。2つのベースタイプを切り替えながら、EQ とコンプで音を整えていきます。

Drum Channel は劇的に音が変わる印象でしたが、Bass Channel は音をより良くする印象です。
Eddie Kramer Bass Channel OFF
Eddie Kramer Bass Channel ON
ベースとして必要な部分をきちんと強調し、そうでない部分は最低限に留めるようなイメージ。太さ、ラインの見えやすさ、サチュレーションといった、ベースの美味しいポイントを捉えた処理をします。
ベースタイプによってサウンドの傾向が変わります。ザックリ言うと、タイプ1 が薄味、タイプ2 が濃いめです。
個人的に、原音のイメージを残したままベースの美味しいポイントを捉えたタイプ1 が好みです。この辺は音源を使った打ち込みなのか、楽器を実際に弾いたサウンドなのかで評価が変わると思います。
Eddie Kramer Guitar Channel
ギター専用プラグインです。バッキング用タイプ2つ、リード用タイプ1つの計3タイプを切り替えながら、EQ やコンプ等で音を整えていきます。

バッキング用として用意されている2つのタイプでは、サウンドの傾向が大きく異なります。
“Rythum1″ はやや枯れたサウンド。原音のイメージを残したまま、オケの中で収まりのいいサウンドになります。”Rythum2” は中域が押し出された前面に迫るようなサウンド。とはいえ、過度なエフェクト処理は行わず、あくまで自然な押し出し感を得ることが出来ます。
Eddie Kramer Guitar Channel OFF
Eddie Kramer Guitar Channel ON
上記デモは、左右のギターにGuitar Channel の”Rythum2″ で押し出し感を足しています。
個人的に”Rythum2″ の押し出し感が好みですが、”Rythum1″ のやや枯れたサウンドも捨てがたいです。前述したように、こちらの方が原音のイメージをより残したサウンドです。
Eddie Kramer Guitar Channel OFF
Eddie Kramer Guitar Channel ON
細かい話ですが、”Rythum1″ の方が上の帯域を触る印象です。プレゼンスを効かせるようなイメージですね。どちらが良いという訳でなく、あくまでオケありきで適切なタイプに切り替えながら使っていきます。
Signature Series の中で一番使いやすい
ドラム、ベース、ギターの基本3点を中心に、Eddie Kramer Signature Series を解説しました。
CLA Signature Series 等、Signature Seriesとして他にも色々ありますが、Eddie Kramer Signature Series が一番使いやすく汎用性が高いと思います。それは恐らく、決してトゥーマッチにならないように設計されているからだと思います。
他にもEffects Channel、Vocal Channel とあるので、興味がある方が是非一度手にとって使ってみて下さい。