今回の動画では、ギターのEQポイントについて解説しています。
ギターと一言で言っても、実際のサウンドは様々だと思いますが、”太くしたい”とか”抜けを良くしたい”といった場合のEQポイントは共通しているんですよね。
今回解説しているギターのEQポイントは以下の8つ。
- 100Hzより下
- 120Hz付近
- 250Hz付近
- 400Hz付近
- 800Hz – 1kHz付近
- 2kHz付近
- 4kHz付近
- 8kHzより上
ギターのEQポイントを理解しよう!!
100Hzより下
100Hzより下の帯域は低域の空気感をコントロールします。
低域の空気感と言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、イメージ的にはキャビネットの箱鳴りのような空気感のこと。なので、この帯域をブーストするとギターの実音とは異なる、モンモンとした低域のエネルギーのようなモノが足されます。
空気感と聞くと良さそうなイメージがあるかもしれませんが、実際はブーストすることはほとんどなく、基本的にはカット方向で考えます。
120Hz付近
120Hz辺りからギターの低域部分の実音が含まるため太さをコントロールします。
太さといっても色々ありますが、この辺の帯域は腹にくるような太さですね。
例えば、ブリッジミュートのズンズン感をもっと重くしたい場合なんかは、この帯域をまずは触ることになります。ただ、この帯域もドラムやベースと被る上に、やみくもにブーストしても、ただ単にモンモンとしたサウンドになってしまうので注意してください。
また、ギターのサウンドをスッキリさせたい場合、この帯域をカットするのも有効です。
250Hz付近
この帯域付近から低域の安定感にさしかかり、250Hz辺りは低域の鳴りやドッシリ感をコントロールします。
この帯域をブーストすることで太さを出しながら重心を下げることができますが、モコモコしたサウンドになりやすいので注意が必要です。
400Hz付近
先程解説した250Hz付近と似たようなEQポイントとして、400Hz付近もあります。
この帯域も太さを出しながら低域の安定感を出すことできますが、250Hz付近と異なるのは、サウンドの温かみや粘りもコントロールできるという点です。
250Hz付近はロー、400Hz付近はローミッドと表現すると分かりやすいと思います。
低域の安定感をコントロールしたい場合、250Hzもしくは400Hz付近を触ることになりますが、250Hz前後をブーストするとベースとぶつかったり、モコモコしたサウンドになるケースがあります。その場合、400Hz辺りをブーストすることでベースとぶつからずに低域の安定感を出すことができます。
また、籠もったサウンドの原因になるのもこの400Hz付近の帯域なので、籠もりを解消したい場合、カットするのも有効です。
800 – 1kHz付近
この帯域付近から、ギターの美味しい帯域である中域をコントロールします。
この帯域のサウンドのイメージはサウンドのコシとか粘りといった感じですね。
この辺の帯域はギターの美味しい帯域になりますが、ボーカルとかピアノとか他のパートに関しても同様に美味しい帯域になります。なので、やみくもにブーストしてしまうと、他のパートと音がぶつかってしまうケースがよくあります。
“ギターメインの楽曲か、そうでないか”とか、”パンの振り方”等で、この辺の帯域の扱いが変わってくると考えてください。
2kHz付近
ギターの明るさや抜けをコントロールします。
抜けを良くしたい場合のファーストチョイスがこの帯域で、ブーストすることでギターの張りも加えることができます。
4kHz付近
2kHzと似たようなEQポイントとして、4kHz付近も音抜けに関わるポイントになります。
この帯域はピーキー感が付いてくるようなイメージですね。
2kHz付近も4kHz付近もどちらも抜けをコントロールすることになりますが、両者の違いは2kHzは温かみのある抜け、4kHzは耳に張り付くようなピーキー感やエッジ感がある抜けという違いになります。
自分が得たい抜けを、この2つの帯域をうまく使ってコントロールしていきましょう。
8kHzより上
8kHzから上はギターでいうプレゼンスのような扱いで、空気感をコントロールします。
4kHz付近はシャリシャリとした質感でしたが、この8kHzから上は高周波ノイズのようなサーっというような質感になります。
この辺の帯域は正直お好みで・・・というような感じになってしまいますが、あまりブーストしすぎると高周波ノイズが目立ってしまうので、そこだけ注意して下さい。
また、耳障りなノイズが気になる場合、この辺をカットすることで抑えることもできます。
まとめ
以上、全部で8つのEQポイントについて、ザッと解説しました。
簡単にまとめると、
- ギターの重低音は100Hzより下と120Hz付近
- 低域の安定感、太さは250Hz付近と400Hz付近
- 中域のコシや粘りは800Hz – 1kHz付近
- 音抜けに関しては2kHz付近と4kHz付近
- 高域の空気感は8kHzより上
このようになります。
あとは自分のイメージに従って、各帯域のカットとブーストを組み合わせながらサウンドメイクする形になります。