低域のパワーが足りない。高域の抜けが足りない。中低域の厚みが足りない。自身の楽曲にどこかエネルギーが足りないと感じるケースがよくあります。
その際、どのEQ を使うのか、どこの周波数をどれぐらいのQ 幅で上げるのか、コンプはどれを使うのか・・・等、ツール選びから使い方に至るまで悩むポイントが多いですよね。
今回はその悩ましいポイントを簡単操作で解決し、自身の楽曲にエネルギーを加えることができるWaves Scheps Parallel Particles を紹介します。

Scheps Parallel Particlesでトラックに必要なエネルギーを加えよう!!
今回紹介するScheps Parallel Particles は、著名エンジニアAndrew Scheps 氏が最重要視するミキシングの要素を、たった4つノブでコントロールするプラグインです。
4つのノブを回すだけというシンプルな構成
見た目がド派手なため、一見すると難しそうなイメージを持ちそうですが、GUIはめちゃくちゃシンプルです。
ミキシングにおいて重要と思われる低域のパワー、高域の抜け、中低域の厚み、アタック&リリースを担うコンプ感を4つのノブだけで調整しますやることは“ただノブを回すだけ”なので、誰でも簡単にサウンドを仕上げることができますよ。
低域エンハンサー SUB
低域エンハンサーのSUB では、文字通り低域の補強に使います。
低域エンハンサーと聞くと、同社のRenaissance Bass が思い浮かびますが、Scheps Parallel Particles の方が狙った帯域をピンポイントでエンハンスしているような質感で、Renaissance Bass よりも自然に持ち上がります。
Renaissance Bass を使う場合も同様ですが、低域エンハンサーを使う際、まずは適当量エンハンスさせた上で中心周波数を前後してみて下さい。すると、太さを感じるポイントが必ず見付かります。
そのポイントを中心周波数に設定し、ノブの加減でエンハンス量を再度調整することで、誰でも簡単に低域の補強ができます。
高域エンハンサー AIR
低域エンハンサーのAIR では高域の補強、とりわけ空気感にあたるプレゼンスを調整します。
エンハンサーというのがポイントです。
EQ で同じ帯域を補強しようとすると、耳に痛い高域のノイズまで持ち上がってしまいますが、エンハンサーは低周波成分からトップエンドを作り出すため、耳に痛くなりづらい特徴があります。
中低域の厚み THICK
THICKでは中低域の厚みをコントロールします。
ただ単に中低域を持ち上げるだけでなく、同時にスローアタックによる程よいコンプレッションが加わるため、それが独特の厚みに繋がっています。
アタック&リリースの調整 BITE
BITE ではサウンド全体にコンプ感を加えます。
程よく効かせることでパンチ感が出たり、グッとノブを回すことで前面に張り付いたサウンドに仕上げることが出来ます。。
原音を損なわない自然なサウンド
上記で説明した4つのプロセスを組み合わせて音を作りますが、これら全てパラレル処理のため、原音のイメージを崩すことなく自然なサウンドに仕上げることができます。
※Scheps Parallel Particles OFF
※Scheps Parallel Particles ON
上記デモでは低域、高域、中低域の補強を行いながら、程よいパンチ感を出すことでメリハリのあるサウンドにしています。聴いてもらうと分かるように、あくまで原音の延長線上にあるような自然なサウンドですよね。
原音を損なわないというのが、Scheps Parallel Particles の最大の特徴です。欲しいポイントだけ足せるため、マスターだけでなくトラックの音作りとしてもめちゃくちゃ使えます。
音抜けを良くしたいのであれば、高域エンハンサーのAIR を回す。ギター等のボディー鳴りを補強したいのであればTHICK を回す。このように、必要な箇所を必要な分だけ加えてみて下さい。
さぁ、ノブを回そう!!
Waves にはSignature Series という著名エンジニアのワークフローをプラグイン化したモノがありますが、Waves Scheps Parallel Particles は正にそういった類ですね。
見た目がいかついので敬遠されがちですが、DTM やり始めの方にこそ使って欲しいプラグインです。誰でも簡単に見違えるようなトラックに仕上げることができます。
是非、一度使ってみて下さい。