今回のYouTube動画では、楽曲制作初心者であっても簡単にボーカルの魅力を引き出すWaves JJP Vocalsを紹介しています。
ボーカルは、楽曲の魅力を最も左右します。
ボーカルは楽曲の”顔”であり、その表現力や魅力を最大限引き出すためには、経験に基づいた技術や感性が求められます。
どうすればCDやストリーミング音源で聴けるようなボーカルに仕上げることができるのか。私を含め、DTMエンジョイ勢の多くが抱える悩みだと思います。
WAVES JJP Vocalsの魅力を解説します
JJP Vocalsとは
JJP Vocalsは、この悩みを解決する秘密兵器。誰でも簡単にボーカルの魅力を引き出すことができます。
※JJP Vocals OFF
※JJP Vocals ON
クリアでエッジの効いた質感。「太さ」と「音抜け」によって、魅力的なボーカルに仕上がってますよね。
JJP Vocals の魅力は、センターセクションに構える6本のフェーダーに集約されています。これらのフェーダーバランスによって、魅力的なボーカルに仕上げることができます。
「MAGIC」や「ATTITUDE」といった、一見すると効果がよく分からないパラメータが見えますよね。
これらは、JJP Vocalsのモデルとなっている著名エンジニア、ジャック・ジョセフ・プイグ氏の長年の経験と知識に裏打ちされた、ボーカルトラックの魅力を最大限引き出すための「プロの処理」。
本来、特別な知識や経験が必要な「プロの処理」を、私たちはただ、フェーダーを上げ下げするだけで使えるのがポイントです。
JJP Vocalsを使ってみよう
では、実際にJJP Vocalsを使っていきましょう。
まず、画面下部でボーカルのタイプを選択します。男性ボーカルであれば「MALE」もしくは「MALE 2」。女性ボーカルであれば「FEMALE」を選択しましょう。
左のメインセクションでボーカルを整えます。
センシティビティでボーカルの入力レベルを調整し、ハイとローのEQ、ディエッサー、コンプレッサーでボーカルを整えます。この段階で、出来るだけクリアに仕上げるのがポイントです。
深くコンプがかかりすぎないように、コンプ or センシティビティでボーカルの入力レベルを調整。太くなりすぎないようにローを調整。耳に痛くなりすぎないようにハイやディエッサーを調整しましょう。
※JJP Vocals OFF
※JJP Vocals ON
このように、過度なサウンドにならないように調整してください。
ボーカルの魅力を引き出す「プロの処理」について
メインセクションでボーカルを整えたら、センターセクションでボーカルトラックの魅力を最大限引き出すための「プロの処理」を加えていきます。
それぞれの処理について、簡単に解説します。
MAIN
MAINは、メインセクションで処理したボーカルの音量レベルです。
MAGIC
MAGICは、音抜けを良くする高域ブースト。ただ単に高域をブーストするだけでなく、わずかなサチュレーションとリバーブが掛かった張りのあるサウンドです。
※MAGICのみ
SPACE
SPACEは、ディレイとリバーブを組み合わせた残響。リバーブタイムの短いクリアな残響です。
※SPACEのみ
ATTACK
ATTACKは、ボーカルのアタック部分。アタックタイムの遅い、コンプレッションされたサウンドをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
※ATTACKのみ
ATTITUDE
ATTITUDEは、ボーカルの太さ。線の細さが気になるときに上げると解決します。
※ATTITUDEのみ
PRSNCE
PRSNCEは、高域のプレゼンス部分。MAGICでも高域を調整できますが、PRSNCEの方がボーカルの芯が残っている印象です。
※PRSNCEのみ
「プロの処理」を加えて仕上げよう
基本的な使い方は、あらかじめMAINを上げておき、そこに必要な音を足していくように「プロの処理」を加えて、ボーカルの質感を調整します。
※JJP Vocals OFF
※JJP Vocals ON
上記デモでは、女性ボーカルのため、ボーカルタイプのフィーメールを選択。メインセクションでボーカルを整えた後、ATTITUDEで太さを強調しながら、MAGICとPRSNCEで高域のバランスを調整しています。SPACEで残響をさりげなく足すことで、よりクリアなボーカルに仕上げることができます。
JJP Vocalsが持つクリアでエッジの効いた質感。「太さ」と「音抜け」によって、魅力的なボーカルに仕上がってますよね。
このように、ボーカルで最も重要で最も難しい処理である「太さ」と「音抜け」を、JJP Vocalsのモデルになっている著名エンジニア、ジャック・ジョセフ・プイグ氏の、長年の経験に裏打ちされた秘密の処理で補えるのがポイントです。
プリセットをスタートポイントとして使ってみよう
私がJJP Vocalsを使う場合、プリセットをスタートポイントとして活用することも多いです。
JJP Vocalsのプリセットには、魅力的なボーカルトラックに仕上げる上で最適なスタートポイントが用意されています。目的に合ったプリセットを選び、そこから微調整するだけで、魅力的なボーカルに仕上げることができます。
※JJP Vocals OFF
※JJP Vocals ON
上記デモでは、プリセット「R VOX」を選び、センターセクションのフェーダーバランスを調整して、求めているボーカルの質感に調整し直しています。
このように、プリセットをスタートポイントとして活用してみてください。
JJP Vocals VS CLA Vocals
Wavesにはボーカル専用のオールインワンプラグインとして、JJP Vocalsと非常によく似たCLA Vocalsがあります。
![](https://project0t.com/wp-content/uploads/2023/05/20230429-1-160x90.jpg)
両者の違いについて、簡単に解説します。
JJP Vocalsの特徴は、これまで解説しているように、クリアでエッジの効いた質感。音数の多い楽曲であっても、簡単にボーカルの存在感を引き出すことができます。
一方、CLA Vocalsは、よりダイレクトでパワフルなサウンドが特徴。JJP Vocalsが持つクリアでエッジの効いた質感というよりも、筋肉ムキムキのエネルギッシュな質感を持っています。
※エフェクトなし
※JJP Vocals ON
※CLA Vocals ON
CLA Vocalsは、JJP Vocalsよりもエッジ感はありません。そのため、JJP Vocalsと比較すると、若干丸みを帯びているような印象すらあります。
個人的な感想として、CLA Vocalsの方が太いボーカルに仕上げやすく、JJP Vocalsはその特徴的な質感から、クリアでエッジの効いたボーカルに仕上げやすいです。
私はロック系が好きなので、CLA Vocalsの方が使用頻度が高いですが、昨今の主流であるクリアな楽曲を作りたい人は、JJP Vocalsの方がマッチすると思います。