モニタースピーカーを買い替えました!!
これまで10年近く使用してきたKRK VXT4 からEVE Audio SC204 に鞍替え。
モニタースピーカーって色んな価格帯で発売されているし、DTM に適したモニタースピーカーとして色んなサイトで色んなモノが紹介されている。なので、DTM 機材の中で”どれを買うべきか”選ぶのが一番難しい。
ここでは、なぜ僕がEVE Audio SC204 を選んだのか、その点を中心に、SC204 のDTM に適した素晴らしいポイントを解説していきたい。
DTM に最適なモニタースピーカー!!EVE Audio SC204
DTM を楽しむ上でEVE Audio SC204 が最も適していると胸を張って言える。が、その前に、そもそも”DTM に適したモニタースピーカー”とはどういったモノだろうか。
まずはそこから話していきたい。
DTM に適したモニタースピーカーとは?
一般的に癖のないフラットな出音のモニタースピーカーが適していると言われている。
確かに、”癖のないフラットな出音”は必要な要素だと思うけど、僕のように自宅という音楽制作のことをまったく考えていない空間の中で鳴らすには不十分だと感じている。
上記は僕のモニタースピーカー設置周り。
見て分かるように、左のモニター周りにゴチャゴチャとブツが置かれており(特にコーンの真下にMIDI 鍵盤置いているのマジで良くない苦笑)、背面にあるバスレフと壁からの距離もあまり確保できていない。
いくら”癖のないフラットな出音”のモニタースピーカーを使おうが、このような設置環境では壁や机等の反射音などが加わることで、フラットとは聞こえ難い音になってしまう。
なので、DTM を楽しむ上で、”癖のないフラットな出音”だけでは不十分なんだ。
僕が考える、DTM に適したモニタースピーカーの条件は以下の2つ。
- 音量を絞ってもバランスが崩れないか
- 設置環境による影響に対応可能か
音量を絞ってもバランスが崩れないか
そもそも、宅録では”音量をある程度出す”こと自体難しい。
特に遅い時間帯に曲作りを行う場合、必然的にボリュームを絞ることになる。その時に低域がいきなり見えなくなったりと、色んな弊害が出てきてしまう。
そのため、“音量をある程度出している状態”であっても、”音量を絞っている状態”であっても両者のバランスが同じであることが望ましい。
設置環境への対応が可能
前述したように、モニタースピーカーの設置環境によって出音は様々な影響を受けてしまう。そのような環境ではモニタースピーカーのポテンシャルをまるで引き出せない。
ただ、宅録のような限られたスペースでは設置環境を整えることが難しいため、設置環境による影響をモニタースピーカー側で補正できることが望ましい。
デジタルアンプならではの利便性
上記までの”DTM に適したモニタースピーカー”を踏まえた上で、ここからはEVE Audio SC204 について書いていきたい。
まず、他のモニタースピーカーと大きく異なり、SC204 はデジタルアンプを搭載している。つまり、入力に対して内部DSP によりA/D 変換が入り、それを出力する形になっている。ただし、これはあくまで“入力された音を正しくそのまま鳴らす”ことを目的としたDSP 処理になる。
このDSP 処理による利便性がEVE Audio SC204 の最大の特徴であり、モニタースピーカーとして使用する上でのあらゆるケースに柔軟に対応することができる。
音量を絞っても出力バランスが崩れない
SC204 はモニタースピーカーのボリュームの大小に関係なく、バランスがほとんど変わらない。
これは、上述した”入力された音を正しくそのまま鳴らす”ことを目的としたDSP 処理だからこそ可能なことで、恐らくモニタースピーカーのボリュームによってバランスが崩れないように内部DSP 処理によってコントロールしている。
設置環境による影響を修正可能なフィルター
いくら正しく出力されたとしても、設置環境による影響を受けてしまえば、その周波数特性は必ずデコボコに歪んだものになってしまう。
SC204 は内部DSP 処理の一環としてフィルターを適用することができ、このフィルターによって歪んだ周波数特性をある程度修正することが出来る。
使用できるフィルターはローシェルフ、ハイシェルフ、Desk フィルターの3つ。
Desk フィルターが聞き慣れないと思うけど、モニタースピーカーをデスク上に置いた場合、デスク表面からの反射によってパコパコと不快な中低域が増強されやすい。Desk フィルターはその帯域をピンポイントでカットするようなフィルター。
僕はこのフィルターの組み合わせによって、作業部屋の音響特性から受ける影響を修正している。
まず、中域が落ち込んでいると感じたので、ローシェルフ/ハイシェルフでカットし相対的に中域を持ち上げ、パコパコと耳につく帯域をDesk フィルターでカット。これによって、ある程度フラットな周波数特性に近付いたと感じている。
このようなフィルターがなかったら、作業部屋の音響特性の影響をバリバリ受けた音でミックス等行わなければならないし、何よりその音を目の前のモニタースピーカーのポテンシャルだと誤認してしまう。
購入を決断したポイント
上記に記載した内部DSP 処理による利便性によって、僕が考えるDTM に適したモニタースピーカーの条件を全てクリアーしているのが分かってくれたと思う。
そして、以上のことが僕がEVE Audio のSC204 を購入した最大のポイントであり、ここまで宅録野郎に適したモニタースピーカー他にないんじゃないか?と思ってる。
おっと、もうひとつ語るべきポイントがあった。インチの選択だ。
4インチか5インチか
EVE Audio のSC シリーズは全て同じ回路、同じパーツを使用しており、違いは箱のデカさの違いに起因する低域の伸びとか単純にボリュームぐらい。なので、基本は設置部屋の広さによってインチを選択すれば良い。
一般的に6〜8畳ぐらいからは5インチを使った方が良いとは思うけど、僕の環境(8.6 畳以上)では4インチでも十分過ぎるほど鳴ってくれてるよ。
なので、低域に余裕を持たせたい人以外は4インチを選択すればいい。
補足
冒頭で書いたように、モニタースピーカーはDTM 機材の中で”どれを買うべきか”一番選ぶのが難しい機材だと思う。何故難しいのか、それは実際に音を聞かずにブログのレビュー記事の内容を鵜呑みにして判断しようとしている方が多いからだと思っている。
実はモニタースピーカーの購入を検討する中、色んなブログのレビュー記事を見まくって参考にしようとしてた。でも、気付いた。全然参考にならないと。
ここまで読んでくれた方の中で、SC204 の音の傾向について何も書かれていないことを不思議に思っている方がいるかもしれない。”中域にガッツがあって”とか、”特殊なリボンツィータのおかげで高域が元気で”とか期待したかもしれない。
でも、こういった文言が並べば並ぶほど嘘くさく思えて、とても僕自身が音の傾向を書こうという気にならなかった。
なので、今回の記事を見てEVE Audio SC204 が気になった方は、是非店頭で実際の音を聴いて最終的に判断し購入して欲しい!!それだけの手間をかける価値がSC204 には十分あると思う。

上記は僕の心の師匠がEVE Audio SCシリーズについて対談されている記事。上記記事はめっちゃ参考になるので、一度目を通してみると良いよ!!