前回、Waves のKramer Master Tape を使ったアナログテープならではのサウンドを得るためのアプローチについて解説しました。

ただ、こういったアナログテープならではのサウンドを一聴すると、人によっては音がヌルくなったとか、スピード感のような勢いがなくなったように感じる方もいらっしゃると思うんですよね。
そこで、今回は前回の応用編として、そういったトラックのスピード感を損なうことなく、Kramer Master Tape でサウンドを整えるアプローチについて解説しています。
スピード感を損なわないサウンドアプローチ
適切なインプットを取ろう!!
前回、アナログテープならではのサウンドを得るためにを設定するという話をしました。これによって、程よいテープコンプレッションがかかり、トランジェント部分が圧縮されることで丸みを帯びてきます。
ただ、音の角が取れて丸みを帯びている分、少し音がヌルくなる印象もあります。
正直、この辺は好みとか、楽曲の中でどのように聴かせたいのかで合う合わないが変わってくるんですが、この状態からインプットを抑えると、ヌルっとしたかかり方が抑えられて音の芯がハッキリしてくるのが分かると思います。
※インプット調整前
※インプット調整後
インプットを抑えることでテープコンプレッションのかかり方を抑えることができるため、ひとつひとつの音の立ち上がりが早くなってますよね。
テープサチュレーションを付加しよう!!
ただ、これだけだとサウンドが味気なく、またコンプレッションされていないことから一体感も感じられないので、FLUX を上げてテープサチュレーションを付加します。
テープサチュレーションによってサウンドひとつひとつの余韻が増して、一体感が出てきます。
※FLUX 調整前
※FLUX 調整後
FLUX の上げ下げによってテープサチュレーションの量を決めれますが、音の芯を失わないギリギリから一歩手前を狙う感じで倍音を付加すると良いと思います。
このようにインプットを控えめにしてテープコンプレッションを回避ししながら、テープサチュレーションで倍音を付加することで、スピード感をそこまで損なうことなくアナログライクなサウンドにすることができます。
皆さんも是非、前回と今回の動画を参考にして、Kramer Master Tape でアナログライクなサウンドを楽しんでみて下さい!!