僕が好んで使用するドラム音源、Steven Slate Drums。このブログでも書いたように、“音作り含めた煩雑な工程を排除”し、”使える音だけを収録”するというコンセプトがとにかく気に入っている。

楽曲を作る上で、スピーディーに狙った音を出せるか?というのは大事だからね。
そんなSteven Slate Drums が昨年末にバージョン 5 へと進化しました!!

よりリアルなドラム音源に近づいたSSD5
今バージョンでは冒頭で書いた前バージョンのコンセプトを継承しつつ、よりリアルなドラムサウンドに近づくアップデートが行われている。
新たに追加されたドラムキットのサンプルについて
SSD5 では新たにドラムキットのサンプルが収録されている。
上記の”SSD 5 Deluxe 2″が新たに収録されたサンプルで、その他が前バージョン等のレガシーなサンプル。もちろん、新たに収録されたサンプルで多くのドラムキット(プリセット)が収録されており、それら全て“使える音”なのが良い!!
前バージョンと今バージョンの違いは、この収録されているサンプルの違いに起因した変更が主になっている印象。
ベロシティレイヤー強化
まず、新しく収録されているサンプルはベロシティレイヤー、アンチマシンガンを回避するラウンドロビンが改善されている。
実は、前バージョンではベロシティレイヤーがすごいザックリしてるなぁと思っていた。サンプルの切り替わりが目に見えて分かるような、そんな印象を前バージョンでは持っていた。
それが、SSD5 にアップデートしたことで、きちんとベロシティの変化に対して段階的に追従するような音に仕上がっており、前作よりもリアルなドラムサウンドを楽しむことができる。
アンビエント含めた収録マイク強化
前バージョンでは、収録しているマイクの数が必要最低限だった。そのため、キックのペチペチとした皮鳴りを足したくても、マイクのIN/OUT が考慮されておらず、皮鳴りが強いサンプルをレイヤーするしかなかった。
それが、SSD5 ではキックのIN/OUT はもちろん、スネアのリムショット、スネアボトムマイクへの被り等、収録マイクが大幅に改善している。
一番嬉しいのは、ルームマイクが新たに追加されていることかな。
収録マイクが増えているので、ミックスバランスの表現の幅が向上しているよね!!
アーティキュレーション増加
リアルなドラムサウンドに近づけるためには、よりリアルな表現力も求められる。その点、SSD5 では前バージョンと比べてアーティキュレーションが増加している。
特に金物系のアーティキュレーションが増加しているのは嬉しい。前バージョンでは金物系の表現力がザックリしていたからね。
前バージョンのコンセプトはそのまま
上記の改善により表現の幅や自由度が広がっているけど、リアル志向のドラム音源と比べるとまだ差があると思う。
冒頭でも書いたように、Steven Slate Drums は“音作り含めた煩雑な工程を排除”し、“使える音だけを収録”するという他のドラム音源とは違うコンセプト。そのため、自由度等の風呂敷がワッサー広がってしまうと、そのコンセプトから外れてしまうように思う。
その観点でいくと、今回の改善はすごくバランスが良いと思う!!
収録されているプリセットが超優秀なので、これまでと同様にプリセットほぼそのまま使ってしまえばいい。打ち込みに関しても、これまで通りザックリと打ち込んでしまえばいい。それでも良い音が鳴ってくれる。
表現の幅や自由度が広がっているけど、SSD5 の接し方は前バージョンと同じでいい。
気軽に使いたいというニーズにマッチしている、本当に素晴らしいドラム音源だと思う。