スタッフY です。
我々DTMer は基本的にボッチのため、歌モノを作ったとしても歌ってくれる人がいないということになりがちだ。過去の僕がそうであったように、そういった理由からボーカロイドに手を出す人も中にはいるかもしれない。
そういった観点で見ると、きちんとREC されたボーカル含めたミックスの場数が圧倒的に少ない人が多いのではないか?と思う。
場数が少ないとどうなるか?
いざボーカル曲のミックスを始めた際、オケの処理は普段やり慣れているからいいとして、ボーカルをどう処理していいか分からず、あれこれ悩んで試した挙句、オケはカッコイイのにボーカルがアレレ・・・と、ボーカル曲なのに歌がお粗末なミックスになってしまいがちになる。
これではせっかく歌ってくれた方にも面目が立たない。
今回はそんな場数の少ないDTMer にこそ使って欲しいWaves CLA Vocals をご紹介しよう!!

簡単操作で抜群の効果!!Waves CLA Vocals
このWaves CLA Vocals はWaves シグネチャーシリーズのChris Lord-Alge Signature に含まれているボーカル用エフェクトになる。
クリス・ロード・アルジ先生が関わった作品は上記のWikipedia を見てもらえれば分かるように、その多くがアメリカンロックとなっている。そのため、このChris Lord-Alge Signature もロック向けになっていると思う。
このCLA Vocals では、ボーカルが自分の曲にフィットするように6 つのコントロールを調整する。大きく分けるとEQ(低域、高域)、コンプ、アンビエント(リバーブ、ディレイ)、ダブリングなどのピッチ関係が備わっている。
またそれぞれのコントロールには異なったカラーが3 つ用意されている。例えば、リバーブであればリバーブタイムの短いタイプ、長いタイプ、チェンバータイプから選ぶ形だったり、EQ の場合は処理される周波数帯域を選ぶ形だ。
もちろんプリセットも豊富に用意されており、リードボーカルだけではなくコーラス用のプリセットまである。とりあえずプリセットから適当に選んでみて後から調整するという形もとりやすい。
Waves CLA Vocals を使う利点
CLA Vocals を使ってみて最初に感じたのは、音が簡単に前に出てくるということだ!!「音が前に出てくる」というのだけでも、自分自身で処理をしようとすると結構難しいのではないだろうか。
また、このCLA Vocals はどんな処理をしたとしても音楽的に破綻をすることがほとんどない。フェーダーの上げ下げでエフェクトの適用量を決めるのだが、あくまでクリス・ロード・アルジ先生が使用する範囲内でフェーダーの範囲が定まっているように感じる。
プラグインの見た目はとても簡素だが、実はめちゃくちゃ音楽的に働いてくれるボーカル用エフェクトということだ!!
普段だといくつもエフェクトを挿さないと出来ない処理がこれ1 台で出来てしまう。さらに、自分で処理するよりも音が良いという困ったツールでもある笑。
もちろん、各パラメータはバイパスすることも出来るので、例えばEQ やコンプ処理はCLA Vocals で処理し、リバーブ関係は自分のお気に入りを使うということも出来る。そのような組み合わせを考えるとすごく幅広く使えるのではないだろうか。
素材の処理前の向上に努めよう
このようにボーカル処理に慣れてなくても簡単に抜群の効果が出せるCLA Vocals だが、ひとつだけ心掛けたいことがある。CLA Vocals に限った話ではなくDTM 全般に当てはまることだが、処理をする素材は出来る限り良い音で収録しよう。
当たり前の話で申し訳ないが笑。
このCLA Vocals を使ってて「素材が良ければ良いほど、得られる結果も向上する」というのを肌で感じた。
なので、CLA Vocals を使ったことで空いた時間的リソースをマイキングなどの「ボーカルをREC する際の作法の勉強」にあてたり、金銭的に余裕があるのであればワンランク上のマイクを購入してみたりと、そちらに意識を向けてみるのも良いと思う。
また、ミックスの上で空いた時間的リソースを、ボーカルトラックのオートメーションを書く時間に当てるのも効果的だ!!面倒だったらWaves のVocal Rider を使うという手もあるが、持ってなかったら頑張って手書きをしよう笑。
オートメーションを書くか書かないかだけでも、かなり結果は変わってくるよ。