簡単操作で抜群の効果というのが、Waves プラグインの特徴。そのため、Waves 製品はDTM 初心者の方であっても、安心して使えるモノが揃っています。
今回は数あるWaves 製品の中から、これ1つでマスターの処理が完了してしまうような、簡単操作で抜群の効果が得られるオールインワンマスタリングツールを紹介したいと思います。
Waves Mercury 愛用者の僕がオススメする簡単マスタリングプラグイン
Greg Wells MixCentric
楽曲のマスタリングを行う場合、コンプをかけたりEQ をかけたりと多種多様なエフェクト処理を行うため、使用するエフェクトやそれらの組み合わせ等、悩むポイントが結構多いんですよね。
その悩むポイントを1つのプラグインで、それも1つのノブだけで解決してしまうのが、Greg Wells MixCentric になります。

まずは、以下のデモを聴いてみて下さい。
※Greg Wells MixCentric OFF
※Greg Wells MixCentric ON
MixCentric によって、サウンドが劇的に変わってますよね!!実際にやっていることは、中央のノブを回しているだけ。たったこれだけで、見違えるようなサウンドで鳴らせます。
こういったワンノブ仕様のプラグインの場合、そのほとんどがエフェクト効果の加減をコントロールしますが、MixCentric はノブの位置によってサウンドキャラクターが異なるというのも特徴になります。
例えば、ノブの位置が9 時付近では、2mixのイメージを壊さないまとまり感メインの処理が行われ、さらにノブを回していくと、明るくポップなサウンドにリニアに変化していきます。
ノブの位置によって効果が変わるため、あくまで楽曲ありきで最適な効果が発揮できる位置にノブを合わせるのがポイントになります。
MixCentric の内部では、マスターに最適なEQ やコンプ、倍音付加等が行われています。また、ノブを回すことで、それらのセッティングが同時に変化したり、切り替わったりもしています。
ただ、僕達は内部で何が行われているか知らなくてもいい。
僕達がやるのは、ただノブを回すだけ。
たったそれだけで、プロのエンジニアが処理したような最高の仕上げを手にすることができます。
Infected Mushroom Pusher
Infected Mushroom Pusher の特徴は、得たい効果に適したノブを回すだけで音が良くなってしまうこと。MixCentric と同じような簡単操作なのに、その仕上がりがとにかく素晴らしいです。

まずは、以下のデモを聴いてみて下さい。
※Infected Mushroom Pusher OFF
※Infected Mushroom Pusher ON
太さや音抜け感がまるで違いますよね!!
このプラグインはザックリ言うと、マルチバンドエンハンサーになりますが、エンハンス処理だけでなく、ダイナミクスの調整からステレオイメージャーによる広がり感、リミッターによる音圧補正もできます。
一際目立つ中央のMAGICでは、全ての帯域のエンハンス処理を行いながら、ダイナミクス処理によってパンチ感を出すことができます。また、高域、中低域、低域の3 バンドのエンハンサーもあるので、欲しい帯域のノブを回すことで、サウンドの太さや抜けをより強調することができます。
MAGIC 含めたこれらの処理が、EQ ではなくエンハンスというのが特に重要で、すごく滑らかに音が持ち上がってきます。
エンハンス効果やダイナミクス処理を施した後は、ステレオイメージャによる広がり感、リミッターによる音圧補正を行えば、マスターとして必要な処理が完了してしまいます。
色んなエフェクトを駆使することで似たようなサウンドが出せるかもしれません。でも、それって慣れてないと難しいし、とにかく面倒。その難しくて面倒な処理を、Infected Mushroom Pusher ではノブを感覚的に回すだけで完結してしまいます。
Abbey Road TG Mastering Chain
Abbey Road TG Mastering Chain は、アビー・ロードのマスタリングスタジオで現在も稼働しているアナログコンソールをプラグイン化したものになります。
正直、これまで紹介してきたMixCentric やInfected Mushroom Pusher と比べると、使いこなすのが難しいプラグインになりますが、その分、音の分離感やパンチ感等、どれをとっても最高のサウンドに仕上がります。
まずは、以下のデモを聴いてみて下さい。
※Abbey Road TG Mastering Chain OFF
※Abbey Road TG Mastering Chain ON
音の分離感やパンチ感もあって、最高のサウンドに仕上がってますよね!!何となく、見た目から”いなたい古臭いサウンド”になると思われそうですが、このようにバキッとしたクリアなサウンドにも対応しています。
TG Mastering Chain のポテンシャルをより発揮する上で欠かせないのが、MS 処理になります。
MS 処理とは、音を中央と両サイドに分けて行う処理で、低域を引き締めたり、ステレオ空間を広げる等、普段行っているLR 処理よりも効果の高い処理が行えます。ただ、MS 処理は慣れていないと難しいので、そういった意味では、決して初心者向けではないのかもしれません。
ただ、一度MS 処理に慣れてしまえば、これ程短時間で見違えるようなサウンドが得られるマスタリングツールはなかなかないと思います。
もちろん、MS 処理ではなく普段行っているLR 処理であっても最高のサウンドに仕上がりますし、それを補うための豊富なプリセットが用意されているので、好みのサウンドが得られるプリセットを選ぶだけでもOK です。
これまで紹介してきたMixCentric やInfected Mushroom Pusher とは違い、自分で音を作り込みたいという方に、特にオススメしたいプラグインですね。