今回は、DTM初心者のためのオール・イン・ワン・ボーカルエフェクト、WAVES Silk Vocalを紹介します。
ボーカルミキシングの難点である共振や歯擦音を効果的に取り除き、クリーンでバランスの良いボーカルを実現します。その効果や使い方に焦点を当て、DTM初心者が手軽に活用できる魅力を解説します。
Waves Silk Vocalで驚きのボーカル処理を手に入れよう
Silk Vocalの効果
ボーカルのミキシングにおいて最も手間がかかるのは、共振や歯擦音などを取り除く過程です。Silk Vocalは、レゾナンスカットやディエッシング等の処理を誰でも簡単にできるように設計されています。
※Silk Vocal OFF
※Silk Vocal ON
低域から中低域にかけてスッキリとし、クリーンでバランスの良いボーカルに仕上がっているのが分かると思います。
Silk Vocalの動作
Silk Vocalの使い方は非常に簡単。
男性 or 女性ボーカルを選択し、前面に配置された3つのコントロールノブを回すだけ。
- Low: ブーミーな音や低音の余分な響きを抑えます
- Mid: ボーカルの主要部分を調整し、過度なレゾナンスを取り除きます
- High: ディエッサーとして機能し、歯擦音を取り除きます
これら全て、ワンノブで操作できるのがポイントです。2000もの帯域にわたって分析を行い、自動的に問題点を検出して除去するため、楽曲に馴染むようにノブを回すだけです。
また、ダイナミクスの調整が可能なコンプレッサーも搭載されているため、3つのコントロールノブでボーカルのバランスを整えた後、タイトで存在感のあるボーカルに仕上げることも可能です。
ボーカルのミキシングで最も重要な中域の処理について
ボーカルの主要部分を調整するMidでは、レンジ幅を調整することで問題のある部分に焦点を絞った処理が可能です。
共振やそれに関連する問題は中域全体で発生するのではなく、より狭い範囲に限定されることが多いです。このことを念頭に置いて、レンジ幅を狭めることで、より的確な処理ができます。
Silk Vocalの効果的な使い方
公式サイトではボーカルのためのオールインワンエフェクトと謳っていますが、Silk Vocalひとつで完結させるのではなく、処理をする前もしくは後のトリートメントとして、他エフェクトと組み合わせながら使ってみてください。
そこでオススメしたいのが、WAVES StudioVerseのプリセット。Silk Vocalを組み合わせたプリセットが多数用意されています。
※StudioVerse OFF
※StudioVerse ON
Silk Vocalは、実際のマイク収録で威力を発揮する印象です。
僕が使っているSynthesizer V等の歌声合成ソフトでは、ある程度声質が整っているため、使用機会が少ないかもしれません。ただ、ミキシング処理の最終段階で耳障りな共振が出る場合もあるため、最終段階でのトリートメントとして使うことができます。