スタッフY です。
音に変化を付ける際に使うエフェクトとしてトレモロというエフェクトがあります。これは周期的にボリュームを操作して音を波立たせるように揺らすエフェクト。エレピとかに使うと結構気持ちいいんですよね。
トレモロは基本的にお手持ちのDAW に付属されていると思うので、それを使っている方が多いと思います。
私がメインで使用しているLogic Pro X にも上記のようにトレモロが付属されていますが、良く言えばシンプル、悪く言えば入力信号に対して一方的に揺らすことしか出来ません。
そこで今回は、一歩進んだ使い方ができるトレモロSoundToys Tremolator をご紹介します。
Tremolator で理想的な揺れを
SoundToys Tremolator は一般的なトレモロとは違い多くのLFO 波形が備わっています。一般的なサイン波、短形波はもちろん、普通のトレモロでは選べないようなエンベロープ波形もあります。
さらに、その波形をEDIT することが可能です。
単純なLFO 波形だけではなく、より複雑な波形でモジュレートすることが出来る訳です。
一般的なトレモロでは指定した周期で一定に上下する形だと思います。しかし、SoundToys Tremolator ではその周期もEDIT することが可能です。
上記は短形波のLFO 波形でモジュレーションの周期(1小節単位で)を音符単位でEDIT しています。分かりやすいように大げさにEDIT しましたが、LFO 波形の長さを音符単位で色々と指定して周期パターンを作れます。
音符指定は付点や3連 なども可能なので、細かい音符を指定してリズミカルなスタッターなども可能ですね。
一般的なトレモロではレートの周期に応じて一定のスピードで揺らす形ですが、SoundToys Tremolator では意図的に揺れのスピードを早くしたり遅くしたり出来るということです。
また、揺れのスピードだけではなく、ダイナミクスも制御出来ます。
もちろん、上記までのLFO 波形や揺れのリズムパターンはプリセットとして多く備わっていますので、使いこなせるか心配な方もご安心下さいね。
入力音量によって変化するトレモロ
さて、揺れをコントロールすることが出来るという点だけでも、SoundToys Tremolator の一般的なトレモロとは違う良さを感じ取って頂けたかと思います。しかし、Tremolator の画期的な点はこれだけではありません。
実は入力信号のダイナミクスによってトレモロの振る舞いを変えることが出来ます。
スレッショルドでRate とDepth のモジュレートがかかりはじめる音量を設定します。このスレッショルドを超えたらRate Mod、Depth Mod のパラメータに応じてトレモロに変化が出ます。
Rate Mod では揺れのスピードを変えることが出来ます。これによってスレッショルドを超えたら揺れを遅くする、早くするということが可能です。
Depth Mod では揺れの深さを変えることが出来ます。これによってスレッショルドを超えたら揺れを深くする、浅くするということが可能です。
これによって、例えば、演奏時のアタック部分のダイナミクスの高い部分にはトレモロをあまりかけず、減衰していくサステイン部分にのみトレモロをかけて揺らす、といった事が可能です。
一般的に、このダイナミクスによるトレモロの変化というのは出来そうで出来なかったポイントだと思います。
プリセット!プリセット!!
前回のEchoBoy の記事にも書きましたが、SoundToys は製品を作るよりもプリセットを作ることに情熱を捧げているような向きがあります笑。
Tremolator でもその情熱を受け継いでおり、プリセットが大量に備わっています!!
一般的にトレモロのプリセットは揺れの周期で指定されがちですが、上記までの説明でも分かるように、Tremolator はそこら辺のトレモロとは一線を画するので、プリセットも単なる周期の指定にとどまらず、数多くの揺れが備わっています。
好みのプリセットから自分でEDIT するという使い方もグッドですね!!
実はトレモロ以外の使い方もオススメ!!
トレモロとは音を揺らすエフェクトですが、このTremolator のマスター部分ではアナログ機器のサチュレーションを付加する機能が付いています。
音を揺らす事とは一切関係ないですが、このサチュレーションがかなり良い!!正直、トレモロをバイパス(DEPTH を0)してサチュレーションだけ適用するという使い方もオススメしたいです。
っていうか、このサチュレーション部分だけでもTremolator を使う価値があります笑。
まさに究極!!
一晩中話り尽くせそうな勢いのあるSoundToys Tremolator。このプラグインのポテンシャルを感じ取って頂けたのではないでしょうか?
Tremolator を使うとトレモロというエフェクトの固定概念が崩れると思いますよ。「あっ、何やってもいいんだ」って。
LFO 波形を自由に書いちゃって下さい。その波形で変態的なパターンをEDIT しちゃって下さい。もちろん、一般的な普通に揺れだって出来ますよ。
自由に子供が遊ぶようにイジっちゃって下さいね。