スタッフY です。
僕のようなDTMer はエフェクトよりも音源やコンプ、EQ などに目を奪われがち。購入する優先順位もエフェクト系のプラグインは後の方になりがち。
でも、コンプやEQ をたくさん持っているよりも、例えば信頼出来るモジュレーション系エフェクトがあった方が、よりクリエイティブなことができるに違いない!!
本来はこっちに先に投資すべきだった・・・と、長年DTM やってきてやっと気付いた。
そう!!遂にエフェクト系プラグインのドンとも言えるSoundToys のNative Effects バンドルを購入したのだ。
今回はその中から今回はThe Ultimate !! 究極のディレイ&エコープラグインEchoBoy を紹介する。
4つあるディレイモード
僕の中でディレイって使用するプラグインを変えたとしても、そこまで大きく変わることってないんじゃね?などと思ってた。言い方悪いけど、ただ音が跳ね返ってくる量を調整してフィルタルングでトーンをいじるだけでしょ?みたいな。
デジタル的か?アナログ的か?で音の質感は当然変わるだろうけど、変わると言ってもその程度だよね、などと思ってた。
操作においても、シンプルが故に音楽的な要素をあまり感じなかった。もちろん、シンプルなのはメリットでもあるけれど。
しかし、今回紹介するEchoBoy は音楽的という言葉にふさわしいプラグインだ。
まず、EchoBoy には4 つのディレイ / エコー・モードを選択することが出来る。
・Single Echo : ディレイ1系統のシンプルなシングル・エコー
・Dual Echo : Single Echo を2つにしたディレイ2系統のダブル・エコー
・Ping-Pong : ピンポンディレイ
・Rhythm Echo : タップ(後述)を指定することで独自のディレイを創作
ここで聞きなれない「タップで指定する」というRhythm Echo というものがあるが、Logic を使っている人ならDelay Designer のアレと言えばきっと察しが付くと思う。
そう。このEchoBoy ではRhythm Echo モードにすることでディレイのパターンを自分で指定することが出来るのだ!!
ディレイを使ってて物凄く機械的だと感じたことはないだろうか?それは指定したディレイタイムに対して忠実に音が減衰しながら返ってくるためだと思っている。
そんな機械的なディレイに飽きている人は是非このモードを使って欲しい!!
ディレイ音の減衰の仕方もリバースにしたり山型にしたり谷型にしたりランダム性を持たせたりと、色々設定することが出来る上に、このタップに対してのプリセットがマジで豊富に揃っている。
自分でタップを指定して普通ではありえないようなディレイを作ることも出来る。普通ではありえないディレイが音楽的がどうかは分からないが笑。
話を4 つのディレイ / エコー・モードに戻そう。この4 つのモードそれぞれ細かい設定が出来るのだが、その設定の中で他のディレイと比べて特出している点がある。それはディレイ音に対してアクセントを付けることが出来るという点だ。
画面左下の「TWEAK」を押すと設定画面が出てくる。この設定画面は各モードに対応したパラメータが表示される(上記画像はシングルモード)が、どのモードでもアクセントを調整することが出来る。
このアクセントを調整することで、裏で返ってくるディレイ音を大きめで返すことが出来る。これだけでも聴こえ方が今まで全然違うと感じるはず。
やはり音楽は裏が大事だ。この点だけでも音楽的なディレイ&エコープラグインだと分かってくれると思う。
ディレイ音にあえて人間味を与えてみないかい?
ディレイは機械だ。よって、返ってくる音も基本的にはテンポに対してグリッドきっちりで返ってくる。しかし、我々は人間だ。人間はどこかヨレヨレである。そう私の演奏のようにね。
曲を打ち込みで完結する場合、ディレイ音はヨレてなくキッチリ返ってきたほうがいいだろう。
しかし、ドラムとかベースとか、生楽器が多くなってくると良い意味でグルーブが増してくると思う。また、打ち込み完結であってもグルーブテンプレートなどを使用してMIDI に敢えてグルーブ感をプラスしていることもある。
この場合、ディレイ音がグリッドにキッチリだとうまくハマらないということで出てくるかもしれない。
もうお分かり頂けかと思う。このEchoBoy ではディレイ音にモタりやハシり、シャッフルやスウィング感を付加出来るのだ!!
やはり音楽はグルーブが大事だ。この点だけでも音楽的なディレイ&エコープラグインだと分かってくれると思う。
豊富なディレイタイプ
ディレイと言ってもデジタル、アナログの違いがある。また、アナログでもテープなのか?チューブなのか?で質感が変わってくるだろう。ディレイに対してモジュレート(コーラス効果)を付加したものもある。
実はこのEchoBoy はそれらをほとんど網羅している!!チューブでもテープでもデジタル的な劣化の少ないディレイでもコーラスでも何でもこい!!な劇ヤバなプラグインなのだ。
しかも、これがまたむっちゃ豊富なんですよ笑。プルダウンメニューがどんどんスクロール出来ちゃうぐらいでwww
ちなみに、「Style Edit」から各スタイルの細かいパラメーターを調整することも出来ます。例えば、時間の経過に応じたディレイ音のEQ 変化とかエコーの揺れとか。
この辺の設定がフィルターやサチュレーションなどに関わってくるんだけど、イメージに合ったスタイルを選んで必要だったら少し調整するくらいでいいでしょう。ほとんど調整する機会がないくらい、豊富な使えるタイプが揃っています。
こういった豊富なディレイタイプから楽曲にあったタイプを選ぶことが出来る。この点だけでも音楽的なディレイ&エコープラグインだと分かってくれると思う。
でも、操作が大変そうだって?
ザッとEchoBoy について紹介してきたが、これだけ機能が揃っていると心配になってくるのが操作性。設定する項目が多くなればなるほど、扱いづらくなるのではないか?そう思っている方も多いと思う。
もちろんイチから自分で設定してもいいのだが、それだと懸念しているように設定に時間がかかり扱いづらく感じるかもしれない。
では、このEchoBoy の最大にして究極の特徴を教えよう。それは・・・
プリセットの数がハンパねー!!
しかも全部使えるー!!
エフェクト系、それもディレイ&エコープラグインでこれだけプリセットが多いプラグインは初めて見た。この多さは本当に衝撃的。しかも、ただ多いだけじゃない。全部使えるプリセットなのがスゴい。
こういったプリセットが多い系は、得てして「どこで使うんだ?この奇抜なプリセットは笑」という場合があるのだが、そういうのがほとんど見受けられない。
SoundToysの新製品の発売が、いつもアナウンスから数ヶ月遅れる原因は、ここにあります…。あらゆる機材、DSP、プログラミングに精通しているだけでなく、なによりも「音楽」を愛しているSoundToysのスタッフの、プリセット作成にかける情熱は、並ではありません。
上記はMedia Integration さんのEchoBoy の商品ページから引用させて頂いたけど、本当にこの文章そのまま。
プリセットは楽器毎にカテゴライズされていたりするので、ここからザッと選んでみて目的に近いものを選び、必要だったら上記までの設定項目で調整すれば良い。
設定する項目が多いので、その分初心者の方は敬遠してしまうかもしれない。でも、EchoBoy はそういった初心者の方に是非使って頂きたい!!この豊富なプリセットは初心者の方の力に多いになってくれるはず。
下手に自分でディレイを設定するよりも、プリセットから選んだ方が完成度がスバ抜けて高い!!(個人談w
ハッキリ言って、さっきまでディレイモードとかグルーブとか書いたけど、そんなのとりあえずムシで構わん。この豊富なプリセットだけでも使う価値は十分にあると感じている。
この音楽的なプリセットの豊富さ。この点だけでも音楽的なディレイ&エコープラグインだと分かってくれると思う。
まさに究極!!
駆け足でEchoBoy の他のディレイプラグインとは一線を画する素晴らしい点を書いてきた。
まぁ、見た目は確かに取っ付きにくそうだ笑。でも、見た目に騙されてはいけない。このプラグインのポテンシャルはハンパないのだから。
本当に一生モノのディレイ&エコープラグインだと感じるし、SoundToys の社名がそのまま出ている素晴らしいプラグインだと感じる。
余談:今から10年ほど前、SoundToys製品はこんなスチール缶にインストーラCD、ライセンスカードを入れて販売していました。当時から変わらぬクセの強さ、センスの良さが特徴でもあります。 pic.twitter.com/mmsXMhTsV7
— Media Integration (@minetjp) 2015, 6月 26
遊び心を持ちつつも音楽的で使えるプラグイン。僕のNative Effects バンドルにはそういったプラグインがまだたくさんある!!
他のプラグインについては僕が理解したら都度書いていこうと思う。
こんな素晴らしいプラグインをありがとう。SoundToys。