スタッフY です。
数あるエフェクトのジャンルの中でも特に人気のジャンルが「汚し系」でしょう。センス溢れるプラグインを作り続けている我らのSoundToys も、汚すためのプラグインとしてDevil-Loc Deluxe を扱っています。
このDevil-Loc Deluxe は端的に言えばコンプレッサーですが、その効き方はまさに強烈の一言!!コンプとして使うというよりは音色加工として使うために作られたプラグインだと感じます。
ただ、「汚し系」のエフェクトって使いどころが限られてきませんか?
ところがこのDevil-Loc Deluxe は「汚し系」特有の過激な処理はもちろん、ただ単に汚すという価値以上に使えるプラグインなのです!!
汚すためだけに使うのはもったいない!!
Devil-Loc Deluxe でどのような事が出来るかについては、以下の動画を見てもらえると分かりやすいでしょう。
「CRUSH」でコンプによるリダクションの調整(リダクション量が多いとサチュレーションも増します)、「CRUNCH」で歪みの加減を調整します。
Devil-Loc Deluxe はコンプとして動作するのでリリースの設定も出来ますが、Fast/Slow の切り替えのみでリダクションが多いほどリリースも自動的に長くなっていきます。アタックは1.3msec で固定、「DARKNESS」はハイカットフィルターによる音の明瞭感の調整に使います。
動画を見てもらえれば分かりますが、Devil-Loc Deluxe を適用すると音がかなり暴れます。その点だけ見ると、人によっては使いどころが難しいと感じるかもしれませんね。
ただ、文字通り過激に汚すのではなく、Devil-Loc Deluxe の旨味を隠し味的に足すような使い方をするとプラグインの良さが際立ちますよ!!
隠し味的に使って音を豊かにしよう!!
Devil-Loc Deluxe を「汚し系」というイメージで使うと過激な処理に目が行きがちですが、先程も書いたようにパラレル処理によって旨味を隠し味的に足すような使い方をすることで、また違った一面が見えてくるプラグインです。
例えば、ドラムのミックスを考えた際、タイトにしたければルーム音は少なくし、ラウド(豊かに)に聴かせたいのであればルーム音を増やします。
ラウドに聴かせたい場合、ルーム音をそのまま足すよりはコンプで潰して足した方がより迫力のある音になりますが、この時にDevil-Loc Deluxe で音を潰してパラレル処理をすることで、おいしい部分だけ使って迫力のある音にすることが出来ます!!
※Devil-Loc OFF
※Devil-Loc ON
Devil-Loc Deluxe によってルーム音の余韻が持ち上がり、中低域が豊かに鳴ることでドラム全体の迫力が増しています。
もっと迫力を出したいけどこれ以上足すと音がモッコリする・・・なんて時は、後段にEQ を挿してモッコリ成分を少し削るという処置をすることで、迫力が出つつ音もスッキリしてGood だと思いますよ。
もちろん、ドラムだけではなく他のパートにも使っていけます。本来の「汚し系」としてベースに歪みを足してブリブリ感を出す使い方もステキですね!!
※Devil-Loc OFF
※Devil-Loc ON
この使い方のポイントは「DARKNESS」でハイカットフィルタ−を適用しているところです。ハイカットフィルタ−によって中低域の張り出し方が変わってくるんです。
これらはあくまで一例に過ぎませんが、このように処理した音を足すパラレル処理によってミックス内での音の見え方を調整することが出来ます。
もちろん過激な処理にも最適!!
上記まではパラレル処理によって処理成分を隠し味的に足すような使い方でしたが、もちろんDevil-Loc Deluxe 本来の過激な処理もオススメですよ!!
個人的にはループを過激に歪ませるような使い方がイケてます。僕が愛用しているStylus RMX との相性も抜群です!!
その際も、Devil-Loc Deluxe を100% 適用するのではなく、あくまでMIX による原音とのバランスを考えて音を作ってみましょう。グッとくるポイントをすぐに見付けることが出来ると思います。