先日、マスタリングが苦手な方に使って欲しいプラグインとしてiZotope Ozone 9 を紹介しました。楽曲を解析し、楽曲に合ったマスタリング処理を提案してくれる最高のプラグインでしたよね!!

ただ、DTM で音楽を楽しんでいる方の中には、“自分の手で自分好みのテイストに手間をかけずに調整したい”という方がいらっしゃるかもしれません。そんな方は、今回紹介するIK Multimedia T-RackS ONE Mastering Processor を使ってみて下さい。
1台でマスタリングが完結!!IK Multimedia T-RackS ONE
T-RackS ONE の最大の特徴は、これ1台で“自分好み”のマスタリングが”素早く”できること。マスタリングで必要な処理が1つのモジュール内に全て纏められています。
自身でマスタリングする場合、EQ はコレ、コンプはコレと色んなプラグインを組み合わせますよね。ただ、そのようなやり方はエフェクトひとつひとつを細かく設定する必要があり、組み合わせも多岐に渡り時間がかかってしまいます。
その点、T-RackS ONE はひとつのモジュール内で完結できるため、エフェクトの組み合わせに迷うことがありません。調整もノブを回すだけなので、ザックリと良い感じに仕上げることができます。
T-RackS ONE で出来ること
T-RackS ONE では、マスタリングで必要な以下の処理が可能です。
- EQ
- ローエンドエンハンサー
- コンプレッサー
- リミッター
- トランジェントシェイパー
- ハーモニックエンハンサー
- ステレオイメージャー
EQ では、3 つのコントロールで高域、中域、低域を調整します。
マスタリングに慣れていない方にとって、EQ 処理は難しいポイント。どの周波数帯をどのようなEQ カーブで上げ下げすればいいか悩むと思います。T-RackS ONE のEQ はマスタリングに最適なEQ 設定が施されいるので、素早く効果的に使うことができますよ。
低域に関しては、ローエンドエンハンサーで低域のタイト感も調整可能です。
コンプ、リミッターに関しても、マスタリングに最適な処理になっているため、アレコレ設定に悩むことなく素早く調整できます。コンプはリダクション-3db 目安、リミッターは狙ったLUFS 値になるようにノブを回すだけです。
コンプによってダイナミクスが失われたかな・・・と思ったら、トランジェントシェイパーの登場です。失われたアタック感を強調して取り戻すことができます。
自身の楽曲にアナログ感を付加したい時もありますよね。ハーモニックエンハンサーによって、楽曲に立体感、アナログ的な暖かみを加えることができます。
ステレオ感も大事なポイント。より広がり感を持たせてワイドに聴かせたいのか、狭くしてまとまり感を出したいのか。ステレオイメージャーで調整しましょう。
T-RackS ONE を使うメリット
上記のように、T-RackS ONE だけでマスタリングで必要なことが網羅できてしまいます。それも、全てマスタリングに最適な設定になっているので、素早く自分の好みに寄せながら調整できます。
実は、“素早く””自分好み”という2つのキーワードが、T-RackS ONE を使うメリットになります。
僕は今でもOzone 9 をメインで使っていますが、このような楽曲を解析し、楽曲に合ったマスタリング処理を提案してくれるツールは、テンプレート的で個性がないとも言えます。そのため、公式に自分の好みに応じて処理を加えていくことが推奨されています。
ただ、自分好みに仕上げるために処理を追加で行おうとしても、それを行う上で最適なエフェクトはどれなのか、必要な効果を出す上での最適な設定はどうすべきか悩んでしまう。悩んでしまうから時間がかかってしまう。
その悩むポイントを、素早く欲しい処理を追加して自分好みに寄せれるT-RackS ONE が解決してくれます。各々の処理は全てマスタリングに最適な処理になっているので、細かな設定は不要です。ノブを回すだけでいい。
ノブを回すだけと聞くと、なんだか大味に聞こえますよね。それが、T-RackS ONE はまったくそんなことはない。最速でクオリティーの高いマスタリングが可能です。
※T-RackS ONE OFF
※T-RackS ONE ON
上記は、T-RackS ONE でプリセットを選び、自分好みにノブを少し調整しています。サウンドが劇的に変わっていますよね!!このように、”素早く””自分好み”のマスタリングが可能です。
Ozone 9 に飽きた方や、自分でマスタリングしたいけど難しいことは分からないという方にオススメです。是非、T-RackS ONE を使ってみて下さい。