今回は、BIAS FX 2のRemaster Seriesで追加された、Marshall JTM45モデリングの魅力と音作りのポイントを解説します。
Marshall JTM45の魅力と音作りのポイント
Marshall JTM45の魅力
Marshall JTM45は、ブルースからロックまで幅広いジャンルで使えます。特に、コードをかき鳴らすようなプレースタイルにおいて、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。
上記動画のように、僕はパンキッシュなサウンドでギターをかき鳴らしたい時に、Marshall JTM45を使うことが多いです。
Marshall JTM45の魅力は、コードの分離感と音抜け感。
他のアンプでは歪ませると音が潰れてしまい、コードの分離感を得ることが難しいケースもありますが、Marshall JTM45は良い意味で歪みすぎないため、コードの分離感が保てるのがポイントです。
音作りのポイント
Marshall JTM45での音作りでは、いくつかのポイントがあります。
Loudness1とLoudness2のバランスが重要
Remaster Seriesで追加されたMarshall JTM45では、実機と同様、Loudness1とLoudness2のバランスが鍵になります。
Loudness1は切り裂くようなエッジ感。Loudness2は太くて甘い音。Loudness1とLoudness2で太さとエッジ感のバランスを調整し、好みのトーンに仕上げてください。
クリーンやクランチを作りたい時は
ただし、ひとつだけ注意点があります。
Loudness1は早く歪む傾向があるため、クリーンやクランチサウンドを作るのは難しいと思います。そのようなサウンドを求める場合、同じくRemaster Seriesで追加されたMarshall Bluesbreakerが最適です。
※Marshall Bluesbreakerデモ
キャビネットを変更してトーンを変えてみよう
Marshall特有の耳に痛いピーキー感が苦手な方は、キャビネットを変更してください。
例えば、PRSやメサブギなどのキャビネットを使用することで、Marshallらしさは保ちつつ、より耳に優しいサウンドを得ることができます。
※デフォルトのキャビネット
※PRSのキャビネット
歪みペダルの使いどころ
歪んだギターの音作りでは、基本的にギターアンプ直で行うため、歪みペダルを使用することはほとんどありません。ただし、浮ついた腰高なサウンドだと感じた時に、トーンを調整する目的で歪みペダルを使うことがあります。
※ブースターOFF
※ブースターON
今回のデモではブースターを使っています。腰高なサウンドの重心が、やや下がっているのが分かると思います。
ブースターの色がつかないようにブースターのGAINは抑え、その分、ブースターのレベルを上げて調整。ブースターのトーンでギターサウンド全体のトーンを調整するイメージです。
アンプ前面のトーンコントロールについて
サウンドのトーンを調整する場合、多くの方はギターアンプのトーンコントロールで調整すると思います。
もちろん、それは間違いではありません。というか、それがセオリーだと思います。
ただ、私はこれまで話してきたキャビネットの変更やマイキング、歪みペダルの併用でトーンを調整しています。そのため、ギターアンプのトーンコントロールのセッティングは、プリセットを読み込んだデフォルトの状態が多いです。
ギターの音作りに正解はありません。私のギターの音作りをひとつの参考例として、ぜひ皆さん自身で色々試してください。
EQで耳障りな音をピンポイントで削る
DAW内でBIAS FX 2を使っている方は、EQで耳障りな音をピンポイントで削る手法もオススメです。
歪んだギターの耳障りな音は、だいたい3.5k – 4.5k辺り。Q幅を狭くしてピンポイントで削ることで、嫌なピーキー感を抑えることができます。
※EQ OFF
※EQ ON
上記デモでは、3.3k – 3.4k辺りに耳に突くピーキー感があったため、ピンポイントで削っています。