これまで過去何回かに分け、コンプレッサーの動作タイプ別の特徴を書いています。動作タイプの違いや特徴を知り用途に応じて使い分けることで、自身のトラックに合ったコンプレッションが得られると思います。
今回はデジタル系コンプレッサーの特徴を見ていきましょう。
デジタル系コンプレッサーの特徴を理解しよう!!
アナログモデリングではなし得ない柔軟な設定!!
デジタル系コンプレッサーは、アナログモデリングではなし得ない柔軟な設定が可能。その代表例が、オーディオの先読み(lookahead)機能ですね。
オーディオの先読み(lookahead)機能によって、アナログモデリングでは不可能な最速のアタックタイムを設定できます。マキシマイザーといわれる音圧補正に特化したエフェクトは、この最速のアタックタイムが肝であり、デジタル系コンプレッサーならではのエフェクトと言えます。
他にも、レシオ等、コンプレッサーのあらゆるパラメータが非常に細かく設定できるの特徴です。
デジタル系コンプが得意なこと 苦手なこと
デジタル系コンプレッサーは非常に細かく柔軟に設定できることから、汎用性が高く補正用途に向いています。
また、開発者の設計思想が色濃く出ているのも特徴で、できるだけピュアな効き方で単純に音の圧縮に特化したコンプもあれば、それだけに留まらずアナログ感を付加するコンプもあったりと、多種多様なコンプが揃っています。
ただ、柔軟性が高いことから、コンプに慣れていないと扱いが難しいという面もあります。
アナログモデリングはザックリとした使い方で独特のキャラ付けがあるため、初心者の方はアナログモデリングの方が扱いやすいと感じるはずです。
僕が使っているデジタル系コンプレッサー
Waves Renaissance Compressor を毎回必ず使っています。
光学式(Opto)、Electro(電子式)という2つの異なるタイプを選択できるため汎用性が高く、デジタルならではのオートリリース機能(ARC)によって、誰でも簡単に安定したコンプレッションが得られます。
出音は若干アナログ感が付加される印象で、とにかく音楽的で温かみのある素晴らしいコンプレッサーだと思っています。
また、同社のRenaissance シリーズでは、他にもRenaissance Vox やRenaissance Axx 等、使用するトラックに特化したコンプもあります。
特に、僕と同じようにギターを弾く方は、是非Renaissance Axx を使ってみて下さい。簡単に切れのある素晴らしいギターサウンドが手に入りますよ。

このような何かに特化したコンプレッサーも、デジタル系ならではだと思います。
その他にも、同社Waves H-Comp も使用頻度が高いです。
バスコンプとしてめちゃくちゃ優秀で、ドラムのバスコンプとして使うことで簡単に一体感を出すことができます。また、デジタルならではの機能として、テンポに同期したリリースタイムが設定できるのも大きいですね。