トラックメイク時のボーカル修正ツールとして最適!!SoundToys Little AlterBoy

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スタッフY です。

私自身、Native Instruments のMaschine を使ってトラックメイクをすることが多く、その際に使うボーカルのサンプルはピッチやフォルマントを調整して馴染みやすくすることが多いです。

まぁ、サンプラーに読み込んで鍵盤でそのまま演奏してしまうことも多いですけど笑。

ピッチやフォルマントを触る時は質感を調整することに重点を置いています。メローな楽曲では色っぽさを、逆に明るい曲では若々しさを出すような感じです。これによって、ひとつのサンプルでも色んな場面で使えるんですよね。

ということで、今回は多彩な使い方が出来るピッチ/フォルマントシフトプラグイン、SoundToys のLittle AlterBoy を紹介します!!

Little AlterBoy – Media Integration, Inc.
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ただピッチ/フォルマントシフトするだけじゃない!!

今回紹介するLittle AlterBoy はただ単にピッチ/フォルマントシフトして質感を変えるエフェクトではなく、それらを利用してダブリングやバックコーラスを作ったり、後述するモードによってケロケロボイス的な効果などを付加する事も出来ます。

なんと言っても、UI の分かりやすさから直感的に触れるという点が僕は気に入っていますね!!

Little AlterBoy の3 つのモード

このLittle AlterBoy には3 つのモードがあります。

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  • TRANSPOSE:ピッチ補正することなく、入力されたボーカルのピッチとフォルマントを設定値にシフトします。
  • QUANTIZE:入力されたボーカルを近い音階(半音階)に素早くピッチ補正しながら、ピッチとフォルマントを設定値にシフトします。
  • ROBOT:入力されたボーカルを特定の音階にシフトします。

要するに、ボーカルの質感を変えたい場合は「TRANSPOSE」でピッチとフォルマントを調整し、今風のケロッた声にしたければ「QUANTIZE」、特殊な効果を出したければ「ROBOT」に設定すれば良いと思います!!

ダンス系以外でも最近は色んな楽曲で少しケロッたようなボーカルの曲に出くわしますが、そういった効果を出したければLittle AlterBoy で「QUANTIZE」モードだと一発で出せると思いますよ。

用途に応じてピッチ/フォルマントシフトしよう!!

僕は冒頭で書いたようにボーカルサンプルの質感を変えるためにピッチ/フォルマントを調整することが多いんです。特にフォルマントに関しては、下げれば男性的な色っぽさ、上げれば女性的な明るさが出てくるので、欲しい質感をイメージしながら調整しています。

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右に過度に回すと子供っぽさも出ますよ。

ボーカルサンプルってピッチを上げれば大体が明るい子供っぽさが出ると思うんだけど、ピッチが上げれない場合や明るさが足りない時などにフォルマントは重宝します。

もちろん、質感を変える以外にも色んな使用法がありますよ。例えば、ピッチをハモりの度数に上げ/下げ、フォルマントを下げるだけでバックコーラス的な効果を出すことが出来まし、ピッチを変えなければダブリングのような効果も出せます。

ただ、一番オススメなのは、やっぱりフォルマントでの質感調整ですね!!フォルマントを変えるだけで曲中での聴こえ方が変わってグッとくるポイントが必ずあるんですよ!!

サチュレーションの付加も可能!!

SoundToys のプラグインのほとんどがサチュレーションを付加出来るんだけど、このLittle AlterBoy もサチュレーションを付加することが出来ます。

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実は、このサチュレーションは同社のDecapitator から移植したチューブサチュレーションらしい!!チューブだからか、過激に歪ませても耳につく高域が邪魔にならないのが良いですね。

倍音付加で豊かな味付けから積極的な音色加工まで!!SoundToys Decapitator
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バックがロックサウンドな場合に使っていきたいサチュな印象ですね!!

MIDI 鍵盤でリアルタイムにピッチシフトしよう!!

Little AlterBoy は多くのエフェクトと同様にトラックにインサートして使用しますが、実はMIDI トラックを使用してリアルタイムにメロディーをリアレンジするなどの処理も出来ます!!

上記動画ではメロディーをリアレンジしていますが、この機能によってやれることの幅が大きく広がっていると思います。個人的にはトラックメイクでガチャガチャと遊んでみたいですね。

メロディーのリアレンジだけでなく、リードボーカルから最適なバッキングコーラスを得るためにMIDI 鍵盤でハモりの度数を選択するという使い方も良いでしょう!!

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最後に

ピッチ/フォルマントシフトによる質感の調整から特殊な効果、歪みの付加、リアルタイム操作などなど。Little AlterBoy のポテンシャルの高さが垣間見えたのではないかと思います。

実は、このプラグインは過去に無償配布されていました。

SoundToys、Auto-Tuneエフェクトやロボット・ボイスを作り出せるピッチ・シフター・プラグイン、「Little AlterBoy」を無償配布中!
SoundToysが、新開発のプラグイン「Little AlterBoy」の無償配布を実施しています。 現在、アメリカ・オースティンで開催されているインタラクティブ・メディア/映画/音楽の大規模イベン

僕はSoundtoys 5 にアプグレして使い始めたんですが、これが無償で配布されていたってマジかよ!?とすごく驚いています。それだけ質が高く、SoundToys ならではの遊び心も忘れていないステキングなプラグインだと感じています。

トラックメイク時のボーカルサンプルに適用する際に最適だと書きましたが、もちろん普通の歌モノでもその威力をいかんなく発揮できると思いますよ!!ただ、歌モノの場合、歌い手の方の中には声をいじられるのが嫌いな方もいるかもしれないので、そこら辺はよく話し合ってから行ってくださいね。

これ、そのうち「Little」が付かない完全版が出ると思ってる笑。

Little AlterBoy でボーカルをいじくりまわして遊ぼうぜ!!