スタッフY です。
先日レビューしたTony Maserati Signature のデキに感動してしまい、他のSignature Seriesプラグインにも手を出してみた。と言うか、僕の中でフルコンプしそうな勢い。

今回はなんとなくTony Maserati Signatureと系統が似てそうなJack Joseph Puig Signature Series (以下、JJP シグネーチャ)を使ってみた。これが良い意味で他のSignature Series と差別化出来ているので、中身を見ていきながら軽くレビューしていこうと思う。

Jack Joseph Puig Signature Series について
- ミックスより音作りに向いている
どのSignature Series にも言えることだけど、今あるサウンドをより良いものに仕上げるためのツールになる。ただ、処理的にザックリ感があるので、ミックスで使うというよりはその前工程の音作りの一環として使用した方がいい。
質感を足していこう!!
早速、JJP シグネーチャの中身を見ていこう。
JJP シグネーチャが他のSignature Series と決定的に違う点は、その処理過程になる。
これまで僕がレビューしてきたSignature Series は元のサウンドに効果を適用して音を作るという流れだったが、このJJP シグネーチャは違う。元のサウンドを上記①メインセクションで基本となるEQ やコンプで整え、整えた音に対して②センターセクションの各プロセスで処理された音を加えていく流れになる。
②はAUX トラックのフェーダのような扱いになるので、出音は① + ② になる。パラレル処理をイメージしてもらうと近いと思う。
この点が他のSignature Series と決定的に違う点。
というのも、これまでレビューしてきたSignature Series はエフェクトの適用量を決めるような流れだった。例えば、歪を加える場合、微かに歪ませるのか、過度に歪ませるのかユーザに託されていたが、JJP シグネーチャではすでに歪んだ音をどのくらい足すか、ということになる。
つまり、どのくらい音を歪ませるか?というのはユーザが決定することは出来ない。僕達に出来ることは、どれだけ処理された音を足すかだけだ。
いかにカッコイイ音を作るかだけ考えろ!!
既に処理された音しか扱えないと聞くと、ネガティブに感じる人がいるかもしれない。
ただ、これはこれで良いと僕は思っている。
何故なら、JJP シグネーチャは各プロセルの音のバランスをとっていかにウェイウェイな音を作るか、そこにだけ集中して使うべきだという明確なコンセプトを感じるからだ。もちろん、音の良さは言うまでもない。
よって、ミックスの過程で使うよりも、元になるサウンドをよりブラッシュアップさせる用途で使うことをオススメしたい。
音の傾向としては、明るくリッチなサウンドが得意なので、ジャンル問わずオールラウンドに使える。
①のメインセクションでは基本的にはEQ、コンプで音を整えるが、ドラムではトランジェントを調整することも出来る。ここで音の重心の位置を調整するイメージで音を整えよう。
②のセンターセクションでは各プロセスで処理された音を足すことになる。ドラムであれば、アタック部分や胴鳴りなど、そのパーツの鍵となる部分を足していく。
どのようなプロセスが用意されているかはパートによって異なるので一言では言い表せれないが、そのパートの鍵となる音、よりカッコよく聴かせるためのエフェクト処理された音が用意されている。その混ぜ具合で自身が良いと思う音を作り上げるんだ!!
パラレル的に原音に混ぜるので、破綻することがほとんどないことも付け加えておこう。
デモ
以下、パコパコ動画では各トラック、JJP シグネーチャのみ使用している。
ミックスで行うようなデリケートな処理には長けていないので、フォーカスが甘くなっている。
やはり、このプラグインは大胆に使ってサウンドをリッチに効かせ、その上でミックスとしてフォーカスを整えるべきだと、デモを作ってみて感じた。