素材を活かした処理がしたい人にTony Maserati Signature Seriesを全力でオススメしたい!

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今回の動画では、Waves のTony Maserati Signature Series を紹介しています。

Tony Maserati Signature Series の最大の特徴はサウンド面。素材を生かしながら、艶と空気感を付加するのが特徴です。

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Waves Audio - 日本 - Tony Maserati Signature Series
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Tony Maserati Signature Series を使ってみよう!!

サウンドの方向性

※Maserati Signature OFF

上記デモは、Logic Pro X 純正音源だけで作ったトラック。各サウンドそこまで悪くはないですが、各々がジャマしあっててスッキリとしないトラックになっています。これをTony Maserati Signature Series のみで処理したトラックが以下。

※Maserati Signature ON

スッキリとしてまとまり感も出ていますよね。また、各トラックのサウンドキャラは壊さず、あくまで素材を生かしながら処理されているのが分かると思います。

これまで紹介してきたCLA Signature SeriesEddie Kramer Signature Series は、良い意味でも悪い意味でも、その特性にマッチした音に変えてしまいます。音作りに不慣れない方にとって最高の結果を生みますが、同時にサウンドキャラが変わってしまうというデメリットもあります。

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ただ、Tony Maserati Signature Series はそれらとは真逆の方向性。サウンドキャラは一切変えず、あくまで素材を生かしながら艶と空気感を付加するのがポイントです。そのため、1音1音を大切にするトラックメイカーの方にこそ使って欲しいプラグインですね。

Tony Maserati Signature Series はR&B やヒップホップに向いているとよく言われますが、このサウンド面の特徴が大きく関わっているからだと思います。

収録プラグインの紹介

Tony Maserati Signature Seriesに収録されている各プラグインの中から、僕がよく使うものをいくつかピックアップして簡単に紹介します。

リズム専用Maserati DRM

ドラムの処理にはMaserati DRM を使います。

Waves Audio - 日本 - Maserati DRM
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他のSignature Series と異なるポイントは、とにかくパラメータが驚くほどシンプルなこと。Maserati DRM では低域と高域のバランス、アタック感しか調整できません。

※Maserati DRM OFF

※Maserati DRM ON

そのため、明瞭感やアタック感を出して楽曲で埋もれないサウンドにしたり、太すぎる低域を抑える、より太くするといった、あくまで素材を生かしながら楽曲での鳴り方を調整する処理がメインになります。

バストラック専用Maserati GRP

バストラックの処理にはMaserati GRP を使います。

Waves Audio - 日本 - Maserati GRP
Tony Maserati、ACG Acoustic Guitar Designerを語る: 「GRPはグループで使う最終的な仕上げに使えるプラグインです。エフェクト、過度な変化は与えず、ソフトにEQ効果を設

このMaserati GRP が本当によくできており、バストラックの処理で求められる存在感と一体感を同時に調整することができます。僕はMaserati GRP で得られる一体感がすごく気に入っています。

※Maserati GRP OFF

※Maserati GRP ON

各パーツがバラバラに聞こえていたドラムに、ドラムキットとしての一体感が出ていますよね。この一体感のことをGlue 感と言うこともありますが、まさにGlue、 接着のように一体感が増します。

バストラック用プラグインで存在感と一体感をコントロールしよう!!Waves Maserati GRP
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モジュレーション、空間系エフェクトMaserati HMX

Maserati HMX はコーラスやディレイ、リバーブ等のモジュレーション、空間系エフェクトです。

Waves Audio - 日本 - Maserati HMX
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本来は広がりと奥行きが出すために使うプラグインですが、僕は明瞭感を出すために使います。

※Maserati HMX OFF

※Maserati HMX ON

わずかに重心が上に移動して、音がスッキリしてますよね。

Maserati HMX には2つのモードがあり、MODAL がコーラス系エフェクト、BOUNCE がディレイ、リバーブといった空間系エフェクトをかけることができます。ですが、このプラグインのオススメポイントはBOUNCEモードのプレゼンス。プレゼンスで得られる明瞭感が最高です。

本当にわずかな効果ですが、もうちょっと明瞭感が欲しいとか、もうちょっと音をスッキリさせたい時にめちゃくちゃ使えます。

ベース専用Maserati B72

ベースの処理にはMaserati B72 を使います。

Waves Audio - 日本 - Maserati B72
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Tony Maserati Signature Series の各プラグインは、他のSignature Series と違ってパラメータが驚くほどシンプルだと書きましたが、Maserati B72 は低域と高域のバランスを整えることしかできない漢仕様です。

ただ、このシンプルさが本当に良く、ベースの肝となる低域の太さと高域の空気感によって色気のあるベースに仕上げることができます。

※Maserati B72 OFF

※Maserati B72 ON

サウンドイメージは壊すことなく空気感が増して、色気や艶が出てますよね。Tony Maserati Signature Seriesの他の各プラグインも色気や艶が出ますが、Maserati B72 はそれがより際立っているイメージです。

また、よく聴いてもらうと、圧縮されたようなコンプ感がありますよね。

Maserati B72 の内部では、ベースに必要なコンプもかかっており、SENSITIVITY でコンプ感を調整します。要は、どれだけコンプに突っ込むのかSENSITIVITY で決めるイメージです。

他のSignature Series はSENSITIVITY で適切な「インプット量」を決めますが、Maserati B72 ではコンプ感の調整をすると覚えておいて下さい。これはドラム専用のMaserati DRM でも同様です。