複数のトラックをバストラックにまとめて、処理するケースが多いと思います。
ドラムのバストラックにコンプをかけて一体感を出す。複数のバッキングボーカルをバストラックにまとめて一括で処理する等。バストラックに対する処理は必要不可欠です。
今回紹介するWaves Maserati GRP は、各パートのバストラックに対する処理が誰でも簡単にサクッとできちゃう優れもの。サウンドの存在感と一体感がコントロールできますよ。

Maserati GRPバストラックの存在感と一体感をコントロールしよう!!
バストラック処理の必要性
複数のトラックをひとつにまとめて処理することで、サウンドに統一感や一体感を出すことができます。特にドラムでは必須ですね。
※処理OFF
※処理ON
ドラムのバストラックに対してコンプで一体感を出しています。僕はWaves のSSL G-Master Buss Compressor とAphex Vintage Aural Exciter の組み合わせがお気に入りです。
ただ、バストラックの処理はドラムだけに特化している訳でなく、あらゆるパートで行います。例えば、複数のギターをひとつにまとめた上でEQ 処理したり、複数のバッキングボーカルをひとつにまとめて一括で処理したり。
サウンドに統一感や一体感が出るだけでなく、バストラックの処理によって楽曲全体のバランス調整が楽になり、作業スピードが上がるメリットもあります。
Maserati GRPでバストラックを処理しよう
各パートのバストラックに対する処理を誰でも簡単にサクッとできちゃうのが、今回紹介するMaserati GRP です。

3 バンドEQ によるザックリとした音作りとコンプレッションだけですが、これが驚くほど便利で使いやすい。3 バンドEQ で楽曲内での存在感、コンプで一体感をコントロールします。
※Maserati GRP OFF
※Maserati GRP ON
ドラムのバストラックをMaserati GRP で処理し、楽曲内での存在感を調整しながら一体感を出しています。僅かな効きのように感じるかもしれませんが、バストラックの処理としてはコレぐらいで十分。「サウンドのイメージを壊さない」というのがポイントです。
Maserati GRP が含まれるTony Maserati Signature Series はR&B やヒップホップに最適というイメージがありますよね。そのため、それ以外のジャンルでは使えないと思われるかもしれませんが、実は色んなジャンルで使えます。
楽曲内での存在感と一体感のコントロールは、どんなジャンルであっても共通している部分。Maserati GRP はサウンドのイメージを壊さないため、あらゆるジャンルで使えるということです。
※Maserati GRP OFF
※Maserati GRP ON
ドラムのバストラックをMaserati GRP で処理しています。やりすぎない程度のわずかな効きですが、これが本当に気持ちいい。このようなロックサウンドでもめちゃくちゃ使えます。
これまでドラムで説明しましたが、もちろん他のパートでも使えます。
※Maserati GRP OFF
※Maserati GRP ON
ピアノとエレピをひとつのトラックにまとめた上でMaserati GRP で処理。モワッとする中低域を削った上で一体感を出しています。
決してド派手にかかるわけではないため、そのようなプラグインに慣れている方にとって物足りなく感じるかもしれません。ただ、本来のバストラックの処理はこのようなもの。そこにモデルとなっているマセラティ氏の理念が詰まっていると思います。
バストラックの音決めがなかなか決まらない人にこそ、ぜひ使って欲しいプラグインですね。誰でも簡単にイメージ通りの存在感と一体感に調整できますよ。