スタッフY です。
DTM 界隈、とりわけアンプシミュに限って言うと、色んなメーカーから既にたくさんの製品が発売されています。そんな中、Positive Grid という新鋭ディベロッパーがBIAS Desktop という、他社製品よりもカスタマイズ性に特化した製品を発売したのは記憶に新しいところです。

このBIAS Desktop はカスタマイズ性の自由度と再現性がウリ。もちろん音も抜群に良い(他社のアンプシミュよりも音が良いと私は感じています)のですが、如何せんマニアックな製品。
また、BIAS Desktop にはエフェクトが内蔵されておらず、アンプのみの完全漢仕様ですので、エフェクトを多用したい場合は何かしらのプラグインを併用する形を取らざるおえず、特に最初に購入するアンプシミュとしてはなかなかオススメし辛いという点がありました。
そういったことから、BIAS Desktop ユーザーはBIAS Desktop のエフェクト版を待ち望んでいました。そして、遂にそのエフェクト版であるBIAS FX Desktop が発売されました!!
BIAS FX Desktop はエフェクトだけに特化している訳ではない
まず最初に。
このBIAS FX Desktop について、もしかしたら誤解を受けているかもしれない点に付いて触れたいと思います。
私もそうだったのですが、「このBIAS FX Desktop はBIAS Desktop にエフェクトを拡張させるもので、BIAS Desktop を所持している上で購入しないと意味がない」と思われている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
ご安心下さい。
このBIAS FX Desktop はこれ単体できちんと動作するプラグインとなっております。と言うのは、実はBIAS FX Desktop 内に高品位のアンプモデリングが多数収録されているのです。
クリーンからクランチ、ハイゲイン、ベース・アンプに至るまで収録されており、総勢32 種類(Professional版)ものアンプモデリングが収録されており(無印バージョンの場合は12 種類です)、アンプ前面のトーンコントロール、ゲインの調整、キャビネット、マイクの選択、マイクのポジション調整が可能となっております。そして、そのアンプモデリングで作った自身の音に対して、ギタリストライクにエフェクト処理をすることが出来るわけです。
長々と書いてしまいましたが、これって他社アンプシミュと同じことですよね?つまり、エフェクトに特化したような製品名ではありますが、このBIAS FX Desktop は他社アンプシミュ製品と同じように使うことが出来ます。
また、収録されているアンプモデリングについても、決してオマケで付いているわけではありません。ベースとなっているアンプのキャラがきちんと出ているのはもちろん、やっぱり音が良い!!ここら辺は抜かりがありませんね。
デュアルチャンネルに対応
まず立ち上げて目を引くのが、デュアルチャンネルに対応したということでしょうか。
やっと他社アンプシミュと同程度の処理が出来るようになりました。実はBIAS Desktop では1 系統のみの音作りでしたので・・・笑。これによって1 系統では足りない帯域を補足する形でもう1 系統使うなど、幅広い音作りが可能となりますね。
また、デュアルチャンネル分岐点にあるスプリッターでは、色んな分岐の仕方を選ぶことが出来ます。
もちろん、系統別に使用するエフェクターを追加することも出来ますし、1 系統のみでの使用も可能ですよ。
搭載エフェクトについて
搭載されているエフェクトについては、PositiveGrid サイト上にあるこちらを参照してみてください。
Which amps/effects come with BIAS FX DESKTOP vs. BIAS FX PROFESSIONAL? – Help Center
上記ページではBIAS FX Desktop(無印、Professional 版)に搭載されているアンプモデリング、エフェクトのベースとなったモデルが記載されています。
ご覧頂くと分かるように、ギタリストが好みそうなエフェクターばかりが搭載されていますね!!またProfessional 版では、エフェクターだけでなくスタジオで使うような機材まで収録されています!!
コンプやEQ、歪などなど、定番のモデルが比較的多い上に、見た目の差異(パラメータなど)がほぼないモノが多いのが特徴です。つまり、そのエフェクターの使い方をYouTube やブログなどで調べて、それをBIAS FX Desktop に反映させることが容易な訳です。
実はこの部分って結構大きいと感じます。特にギターやベースにさほど明るくないDTMer は既存のアンプシミュの音作りが難しいと感じているのではないでしょうか?それをネットの広大な海が解決してくれるかもしれませんね。
さらに、このBIAS FX Desktop にはひとつ特徴的なエフェクターのカテゴリーがあります。それは「ブースターカテゴリー」!!
何をブースターに使用するのか?というのは、人によってEQ を使ったり歪エフェクトで足したりとまちまちですが、このようにブースターに特化したエフェクターが収録されているのは嬉しいですね。特にXotic RC Booster をモデリングしたクリーンブースターが収録されているのは大きい。
最初の方で述べたように、BIAS FX Desktop にはアンプモデリングが備わっているので、メインの歪をアンプ側で作り、ここぞ!!というときにブースターオンというギタリストライクな使用もアリですし、クリーンブースターをかけっぱなしにしてしまい、楽曲の中で埋もれないサウンドに仕上げることも出来ます。
このように高品位で使いやすいエフェクターが総勢62 種類(Professional版)収録されています。(無印バージョンの場合は30 種類です)
ToneCloud でのプリセット共有
BIAS Desktop と同様にBIAS FX Desktop でもToneCloud で色んな方が自前のプリセットを共有しています。
ここから手っ取り早く自分のイメージにあった音を探すというのもアリですね。ただ、膨大なプリセットが共有されているので、イメージに合った音に出会うまでに時間がかかるかもしれませんが笑。
ToneCloud ではプリセット試奏のような役割のプレビューボタンを押せば即座に反映されて音を確認出来ますし、人が作ったプリセットの中身を見てみるのもなかなか面白いと思いますよ。
良さそうなプリセットがあったらダウンロードして、自分に合うようにさらにカスタマイズしちゃいましょう!!
こちらは無印、Professional 版共に使用可能のようです。
BIAS Desktop との連携
さて、上記までのようにBIAS FX Desktop のみでも使用可能ですが、やはりBIAS Desktop があると鬼に金棒!!
BIAS Desktop がインストールされているPC/Mac でBIAS FX Desktop を使用すると、アンプモデリングを選ぶ際に「BIAS AMP カテゴリ」からBIAS Desktop で使用しているアンプモデリングを選ぶことが出来ます。
ここで自分で作ったオリジナルのアンプモデリングを読み込むことで、晴れてBIAS Desktop で作った音にエフェクトを足せる訳ですね。
上記までのように使いやすく高品位なエフェクターが多数容易されていますので、オリジナルのクリーンサウンドに空間系をかけてみたり、ハイゲインに対してブースターや空間系でリードサウンドをより良いものにしたりと、考えただけでヤバイです。
もちろん、最初はBIAS FX Desktop のみの使用でもOK!!使い慣れてきたり、もう一歩踏み出してみたいと思った時にBIAS Desktop を購入してみるのも良いと思いますよ。
最後に
「BIAS FX Desktop」というネーミングのせいでエフェクトに特化したアプリケーションと思われがちですが、上記をご覧頂いたことで、その誤解は解けたのではないか?と思います。
このBIAS FX Desktop は決してガワのようなうつわ的役割や拡張ありきではなく、幅広いジャンルのアンプモデリングとエフェクトが収録されている、言ってみれば、アンプシミュの基本的な形をしています。そこにより進んだ追加の機能としてBIAS Desktop を足すような、そんな感覚です。
収録内容もこれ1 台で完結出来るほどのモノが揃っているので、アンプシミュの最初の1 台としてもオススメ出来る製品となっています。
アンプシミュをお探しの方は是非検討してみて下さいね!!きっと、その音の良さに気付いて頂けると思います。