最近、iZotope Neoverb を導入しました。
設定の難しさから、個人的にこのようなアルゴリズムリバーブは敬遠しがちだったけど、Neoverb はその難しいポイントを特徴的な機能によって誰でも扱えるようにしてる。リバーブの敷居の高さを低くしたいというメーカの想いをバッチバチに感じる、とんでもないリバーブだった!!
誰でも簡単に楽曲にマッチしたクリアなリバーブが使える!!
アルゴリズムリバーブの欠点
アルゴリズムリバーブはパラメータの設定いかんで多種多様な残響を作り出すことができるため、自由度が高いリバーブと言えます。ただ、自由度が高い分、意図した残響を得るための調整が難しいという欠点があります。
そのため、まずは自分の好みやイメージしている響きに近いプリセットを選んだ上で、ごく一部のパラメータだけをまずは意識して調整することをオススメしました。
ただ、このやり方にも欠点があります。好みの響き、楽曲にマッチした響きが得られるプリセットがなかったらお手上げだからです。
Reverb Assistant で自分のプリセットを作ろう!!
楽曲にマッチしたプリセットがないのであれば、それを作ってしまおう!!というのが、Neoverb の他にはない最大の特徴です。
Neoverb にはReverb Assistant という機能があり、どのようなサウンドにしたいのか伝えるだけで、数秒後にはリバーブが出来上がってしまいます。
Style でリバーブの質感、Size で空間のサイズ、Tone でリバーブのトーンを調整します。リアルタイムにモニタリングしながら、これらの組み合わせによって自分だけのプリセットを作っていきます。
実は、Neoverb を使う前、結構舐めてました。”こんな簡単なステップで自分の楽曲にマッチしたリバーブを得るなんてムリでしょ”と。それが実際に使ってみてマジでビビった!!
ナニコレ!!楽曲に超馴染むリバーブがマジで出来ちゃってるんだけど!!と。
iZotope Neoverbヤベーコレ!!入力ソースを解析してリバーブによって濁ったり耳障りになる帯域を予めカット(Pre EQ)、リバーブ音が入力ソースをマスキングしないようにカット(Reverb EQ)する2段構えのEQでめっちゃクリーンでソースに馴染みまくるEQになるんですけどー!! pic.twitter.com/L5gKuIvFhs
— Yuuki-T@毎週金曜DTMチュートリアル動画投稿 (@project0t) February 14, 2021
それを実現しているのが、Neoverb のもうひとつの特徴的な機能、Pre EQ のAuto Cut 機能とReverb EQ のUnmask 機能にあります。
EQ で濁りをとってクリアーな響きを
Neoverb にはリバーブ入力前のPre EQ、リバーブ自体にかかるReverb EQ と2段構えのEQ が付いています。
Pre EQ では濁りやレゾナンス、耳障りになる帯域を入力音から予めカットし、Reverb EQ では原音とリバーブ音がマスキングする帯域をカットします。これによって、リバーブ全体のサウンドキャラクターをトラックに合わせ、楽曲に馴染むクリアなリバーブを実現しています。
ただ、初心者にとって、この不要な帯域を手動でカットするのはハードルが高いはず。
それを、Neoverb ではReverb Assistant 機能によって入力ソースを解析し、Auto Cut 機能によってPre EQ カーブを、Unmask 機能によってReverb EQ を自動で設定して濁りをとってくれます。
自分の楽曲やトラックにマッチするリバーブは、リバーブタイムとかタイプであるとか、そういったリバーブ本来の響きだけでなく、その前段 or 後段に位置するEQ 処理がめちゃくちゃ大事になってきます。
ただ、トラックによって耳障りな帯域やマスキングする帯域が異なるため、それを一般的なリバーブのプリセットのみで補うのはほぼ不可能。必ず、手動でのEQ 処理が発生してしまいます。それを、Neoverb では自動で設定し、トラックや楽曲にマッチしたリバーブに整えてくてる訳です。
追い込んだ調整も可能・・・だが
Neoverb の特徴的な機能Reverb Assistant とそれに付随するPre EQ のAuto Cut 機能、Reverb EQ のUnmask 機能によって、誰でも簡単にトラックや楽曲にマッチした残響が得られます。
もちろん、作成したプリセットから、自分自身でより詳細に追い込んでリバーブ音を作ることもできますよ。
Neoverb はタイプの異なる3つのリバーブをブレンドする形で残響を作ります。で、Advanced Panel では、それらひとつひとつ詳細に設定することができます。
ただ、この辺は本当にリバーブに慣れている人以外ノータッチで良いと思ってます。
冒頭で書いたように、アルゴリズムリバーブは自由度が高い分、設定が煩雑で意図した残響を得るための調整が難しい。リバーブに慣れていない方が触りだすと、収拾がつかなくなってしまう。
なので、まずはReverb Assistant でトラックや楽曲にマッチしたリバーブを作り、Dry/Wet バランスに気を付けながら使ってみる。そして、慣れてきた時に初めて、Advanced Panel を触ってみる。
いきなり全部触るのではなく、以前書いた記事にあるように、プリディレイやリバーブタイムあたりから触ってみるのがオススメです。
全てのDTMer にオススメしたい!!
リバーブを使いこなす上で必要な要素を、特徴的なReverb Assistant 機能によってほぼ網羅できてしまうのがNeoverb の凄いところ。リバーブというエフェクトの敷居の高さを低くしてる。
僕はコンボリューションリバーブを好んで使っていますが、それはアルゴリズムリバーブの設定が難しく、意図した残響が得づらいと常々感じていたから。それを、このNeoverb がマジで解決してくれてる!!
これほど使いやすく、トラックや楽曲にマッチし、クリアで透明感ある残響が得られるリバーブは他にないんじゃないかな。
本当に皆に使って欲しい、そんなリバーブですね!!