今回の動画ではWaves のKramer Master Tape を使ったアナログテープならではの豊かなサウンドを得るアプローチについて、一例を示しながら解説しています。
皆さんの思う、アナログテープサウンドってどんなイメージでしょうか。
“サウンドに暖かみを加えてくれる”とか”丸みを帯びる”とか、”独特のコンプレッション感”とか色々あると思うんですが、今回紹介するKramer Master Tape はまさにそういったサウンドを得ることができます!!
ただ、使い方を間違えてしまうと、イメージとかけ離れたサウンドになってしまうんですよね。

アナログテープサウンドを手に入れよう!!
間違った使い方
テープの質感を得るためにインプットをとにかく突っ込んでしまう方がいますが、インプット量を適切に設定しないと、心地よいテープサウンドを得ることができません。
※Kramer Master Tape OFF
上記のドラムバスにKramer Master Tape のインプットを過度に突っ込んだ状態で使ってみます。
※Kramer Master Tape ON
インプットを突っ込んでいくと、ある時点を境に低域がスカスカなサウンドになってしまい、勢いもパワーもなくなっていくのが分かると思います。
アナログテープサウンドを得るための基本的な使い方
最適なインプット量ってどのくらいか?ってことなんですが、僕がKramer Master Tape を使う場合、VUメータで-5dB付近を目安に、まずはインプットを設定しています。
※Kramer Master Tape OFF
※Kramer Master Tape ON
軽くテープコンプレッションがかかって音のアタック、もっと言うとトランジェント部分が圧縮されて丸みを帯び、テープサチュによって倍音が付加されているので、特にサウンドひとつひとつの余韻が伸びて、全体として一体感の感じられるサウンドになっています。
最適なインプットを設定した後は、テープスピードやBIAS 設定で質感を変えます。
テープスピードは早いほど高域の特性が上がり、遅いと高域がロールオフしたようなサウンドになります。ただ、その結果、テープスピードを遅くすることで低域の特性が上がるという特徴があります。
BIAS も同様で、NOMINAL バイアスは低域、OVER バイアスは高域の特性があがるイメージです。
ここら辺はフィルタリングするようなイメージで使ってみて下さい。
※OVER BIAS
※NOMINAL BIAS
上記は、例として示しているドラムバスのBIAS 設定をNOMINAL に変更しています。高域の特性を保ちながらスネアに音のピークが移って艶やかなサウンドになっていますよね!!
アナログテープサウンドを得るための使い方として、まずは適切なインプットを取って、テープスピードやBIAS の設定でフィルタリングするようなイメージでトラックに合った周波数特性に変えてみるだけで基本はOK です。
皆さんも是非、Kramer Master Tape でアナログテープサウンドを楽しんでみて下さいね!!