サウンドの厚みを出す、ステレオ感を出す。そんな時に使われる手法がダブリングです。
同じパートを収録して重ねたり、ショートディレイによって擬似的にダブリングさせたりと色々なやり方がありますが、DTM で音楽を楽しんでいる方の多くは、プラグインを用いて擬似的にダブリングさせてると思います。
ただ、擬似的なダブリングは機械的になり、不自然に聴こえてしまうケースが多い。より簡単に自然なダブリングが得られるプラグインがあれば・・・
今回は自然なダブリング効果が期待できるWaves Reel ADT を紹介します。

自然なダブリングを作り出そう!!Waves Reel ADT
Reel ADT は、アビイ・ロード・スタジオでダブル・トラッキング・エフェクトとして実際に使われていた真空管テープマシンをプラグイン化しています。
※Reel ADT OFF
※Reel ADT ON
上記デモでは、ボーカルトラックをReel ADT でダブリングさせています。擬似的とは思えない自然なダブリング、心地よいサチュレーションによって存在感のあるサウンドに仕上がってますよね。
この“自然なダブリング”と“心地よいサチュレーション”がReel ADT の特徴と言えます。
他では得られない自然なダブリング
Reel ADT 画面上部のADTをズラすことでダブリング効果が得られます。イメージ的には原音に対するショートディレイです。ADT をどれだけズラすのか、ADT の設定によってダブリング効果の大小が決まります。
ただ、これだけでは一般的なショートディレイと代わり映えせず、機械的なダブリングに聴こえてしまいます。それを解消するのが、画面中央部のVARISPEED。このダイヤルを手動で回すことでADT に揺れが生じ、自然なダブリング効果を引き出すことが出来ます。
VARISPEED を動かすことでショートディレイをモジュレートし、僅かな揺らぎを加えることで自然なダブリング効果が出ます。ただ、手動でずっと回し続けるのは面倒ですよね。そこで是非使って欲しいのが、LFO による周期的な揺れ。特に、LFO 波形をRandom にした時の自然なダブリング効果は、思わずニンマリしてしまいます。
ADT とVARISPEED の組み合わせによって、他では出すことができない自然なダブリング効果が得られる。それが、Reel ADT の最大の特徴です。
Reel ADTはダブリングだけじゃない
Reel ADT で得られる効果はダブリングだけじゃない。設定次第でフランジャーやフェイザーとしても使うことが出来ます。
※Reel ADT OFF
※Reel ADT ON
フランジャーとは、位相を僅かにズラすことで得られるエフェクト効果。ADT を僅かにズラし、VARISPEED とLFO で周期的な揺れを加えることでフランジャーとして使うことが出来ます。また、位相反転させることでフェイザーとして使うことも可能です。
音作りのアクセントとして、積極的に使っていきたいですね。
テープならではの心地よいサチュレーション
真空管テープ・マシンをプラグイン化したReel ADT。皆さんが期待しているテープサチュレーションを加えることが出来ます。
ジリジリと耳に痛くならない心地よいサチュレーションです。トラックの存在感をより出すことが出来ます。
Waves Reel ADT を使ってみよう!!
擬似的にダブリングさせているとは思えない自然なサウンド。ダブリングだけでなくフランジャーやフェイザーとしても使える汎用性の高さ。サチュレーションによる深み、存在感のコントロール。Reel ADT ひとつで音作りの幅が劇的に広がると思います。
特に、ハモリやダブリングを多用するボーカルパートと抜群の相性だと思います。
是非、一度試してみて下さいね。
