真空管タイプのコンプレッサーのイメージとして、真空管ならではのサウンドの色、特に中低域の温かみが思い浮かびますよね。

今回紹介するWaves Abbey Road RS124 Compressor は、それと対象的に中高域に特徴がある独特の真空管サウンドが楽しめます。さらに、2つのフレーバーやアグレッシブなコンプレッション等、このコンプレッサーでしか味わえない唯一無二のサウンドが特徴です。

唯一無二のAbbey Road サウンドを体感してみよう!!
中高域に特徴のある独特の真空管サウンド
冒頭で話したように、真空管タイプのコンプにはサウンドの色が付加されます。そのサウンドの色が欲しいがために、そのコンプを選択すると言ってもいいぐらいですよね。Abbey Road RS124 Compressor はサチュレーションによって中高域がグッと持ち上がってきます。
※RS124 Compressor OFF
※RS124 Compressor ON
Abbey Road RS124 Compressor のことをシルキーサウンドと形容されることが多いですが、中高域が持ち上がりながらも優しく滑らかなサウンドが楽しめます。
オケ中で聴くと、その特徴的なサウンドがよく分かると思います。(※以下デモはマスターのため、音量に注意して下さい)
※RS124 Compressor OFF
※RS124 Compressor ON
上記デモでは、ドラムのみAbbey Road RS124 Compressor をかけています。オケ中での存在感がまるで違いますよね!!
2つのフレーバーを使い分けよう
コンプの機能面では、アタック固定というのが特徴のひとつ。そのアタックに関わる機能として、2つのフレーバーを選択することができます。
- Studio : アタックとリリースが早く、トランジェントが際立つコンプ感のあるサウンド。主に単体トラックに使用。
- Cutter : Studio よりもアタックとリリースが遅く、滑らかにコンプがかかる。主にバストラックやマスターに使用。
単体トラック向き、バストラックやマスター向きの2つのフレーバーが楽しめます。個人的にはバストラックであってもトランジェントの際立つ”Studio”が好みですが、この辺の使い分けによって、使用頻度がグッとあがると思います。
魅惑のスーパーヒューズモード
Abbey Road RS124 Compressor を語る上で欠かせないのが、スーパーヒューズモード。これによって、よりアグレッシブなコンプレッションを楽しめます。
※RS124 Compressor OFF
※RS124 Compressor ON
スーパーヒューズモードの方が、真空管らしい振る舞いを感じます。
個人的に、スーパーヒューズモードでガッツリ潰してしまい、MIIX バランス(パラレル処理)で調整するのがオススメです。ガッツリ潰すため、中高域が強調されシャリつくかもしれませんが、テープ系ゆかりの自然な高域のロールオフを組み合わせることで、太さや存在感の申し分ない最高のサウンドが楽しめます。(※以下デモはマスターのため、音量に注意して下さい)
※RS124 Compressor OFF
※RS124 Compressor ON
上記デモでは、ドラムのみAbbey Road RS124 Compressor のスーパーヒューズモードでガッツリ潰した上で、MIX バランス等を調整しています。スーパーヒューズモードを使っていない状態とはひと味違うサウンドで、バストラックに積極的に使いたくなりますね。
このように、Abbey Road RS124 Compressor のような特徴的なサウンドが楽しめるコンプは、他にないと思います。独特のサウンドのため、使う人の好みによって評価が左右されますが、その尖った特徴的なサウンドだからこそ、中毒性の高いコンプレッサーだと言えます。
是非、一度試してみて、そのサウンドを体感してみて下さい。