PRS といえばハイエンドギターでお馴染みですが、実はギターアンプも世に出しています。PRS Archon が一番有名かな。
BIAS Mini Guitar でPRS Archon のAmp Match プリセットをよく使いますが、とにかく中低域がふくよかに鳴る印象で、ハムバッカータイプだけでなくシングルコイルタイプのギターとの相性もバッチシなんですよね!!
上記はテレキャスタイプのギターでPRS Archon を鳴らしてます。テレキャスでこの鳴りヤバイでしょ!!笑。
BIAS Mini Guitar でPRS Archon を気に入ってずっと使っていましたが、僕達のWaves からPaul Reed Smith 氏とのコラボによって生まれたギターアンプシミュPRS SuperModels が出てるではありませんか!!

今回は僕なりの視点でWaves のPRS SuperModelsを語りたいと思います。
簡単にふくよかな中低域を鳴らせる!!PRS SuperModels
Waves 製品のコンセプトは”簡単操作で抜群の効果”だと思ってて、一見複雑そうに見えるプラグインであっても、誰でも簡単に良い音が出せるように設計されているものが多い。
このPRS SuperModels もそのひとつで、初心者の方が迷いがちな、あるいは面倒なポイントを排除することで音作りのハードルを下げているので、誰でも簡単にPRS アンプの特徴的なふくよかな鳴りを得ることができるのがポイント。
全てのジャンルをカバーする収録アンプ
PRS SuperModels では、タイプの異なる3つのギターアンプが収録されており、それらを使い分けることで、あらゆるジャンルをカバーできる。
ここでは、各収録アンプについて簡単に解説していきたい。Media Integration 公式サイトにサウンドデモが掲載されているので、そちらも併せてチェックしてみて欲しい。
中低域がふくよかで図太いハイゲインサウンドが特徴的なPRS Archon
まずは、僕が気に入ってるPRS Archon から。とにかく、こいつはハイゲインのヘビーサウンドが得意!!
もちろん、歪を抑えてクランチっぽいサウンドも鳴らせるし、クリーンチャンネルで綺麗なクリーンを鳴らすこともできる。でも、こいつを使う時は重低音を効かせるようなヘビーなサウンドでガンガン鳴らして欲しい!!
中低域がふくよかに鳴るため図太いサウンドが特徴。ずっと弾いていられるような、心地よい飽和感が得られる。
冒頭で紹介したONE OK ROCK CONVINCING 左右のバッキングリフをPRS SuperModels のPRS Archon で弾いてみた。
このサウンド、ヤバイでしょ!!BIAS Mini Guitar とほとんど遜色ないんですが笑。中低域がふくよかで図太く、重心がグッと下がったサウンドなのが分かってもらえるんじゃないかな。これ、テレキャスで弾いてるんだよ。
実は、上記のサウンドはパラメータをチャチャッといじって完結してる。サウンドメイクに5分もかかってない。
なぜ、そんなに短い時間でこんな強烈なサウンドが作れるか?それは、後述する煩雑な操作を排除したシンプルな設計だからこそ、簡単に的を得たサウンドメイクができるからなんだ。
幅広いサウンドメイクが可能なPRS Blue Sierra/V9
次に紹介するPRS Blue Sierra/V9 はクリーンからオーバードライブサウンドまで網羅しているため、収録されている3つのアンプの中で一番守備範囲が広く使いやすいアンプと言える。
PRS Archon ほど歪まないけど、それでも結構深い歪みが得られる。また、PRS の伝統なのか、そのサウンドキャラクターはやっぱり中低域ににふくよかさがあるように感じる。
このギターの鳴ってる感ヤバイでしょ!!笑。今回は深く歪ませたけど、程よいクランチでも耳が痛いサウンドにならず心地よいサウンドで鳴ってくれるよ。
クリーンからクランチまで太く鳴らせるPRS Dallas
最後はPRS Dallas。
クリーンから程よいクランチまで鳴らすことが可能。PRS のアンプ全般に共通して言えることだけど、とにかく音がマイルドというか、ギターの一番美味しい中低域をきちんと鳴らしてくれる印象。
クランチサウンドでかき鳴らした時の気持ちよさは圧巻!!音が太くてギターの鳴りが本当によく分かる。
こういったクランチ系の場合、高域が目立ってジャキッとしたサウンドになることで、逆に耳に突いたり重心の感じられないサウンドに終始するけど、Dallas ではそれがまったくない。まさに音楽的の一言。
音作りについて
PRS SuperModels による音作りのバリエーションの多さ、音の良さが分かって頂けたと思う。でも、音作りが上手くいかなかったら意味がない。
Waves の製品コンセプトは、冒頭で書いたように”簡単操作で抜群の効果”。このPRS SuperModels も例外ではなく、煩雑な処理を省略することで誰でも簡単に音作りが出来るような設計になっている。
意外に無視しがちなINPUT レベルを自動修正!!
ギターの音作りにおいて一番大事だと言っても過言でないのが、アンプに突っ込むインプットレベルだと思う。
過度に突っ込むことでアンプの歪みをブーストさせるというのは、ペダルを使う上でよく行う手法だけど、そもそも、そのアンプが一番良く鳴ってくれる適正レベルで普段から音作りできているだろうか?
実は、PRS SuperModels には、INPUT レベルを適正なレベルに補正してくれるAUTO INPUT 機能が付いているのだ!!
アンプがよく鳴る適正レベルで弾くというのは、意外と無視しがちなポイント。適正レベルで弾くからこそ、そのアンプの特性がより生かされる訳で、それが最終的にサウンドメイクに大きく関わってくる。
煩雑なマイキング処理を排除!!
一般的なアンプシミュの場合、数多くのキャビネットとマイクモジュールが収録されており、それらを組み合わせながらサウンドメイクしていく。
実は、PRS SuperModels の音作りで一番特徴的だと感じるのがこのキャビネット部分。なんと、IR を使用した音作りしかできないのだ!!
キャビネットとマイクの選択、マイクをどの位置に立てるか?等はサウンドメイクに大きく関わってくる。そのため、音作りする上で結構迷いやすいポイントなんだよね。
その迷いやすいポイントを適切なキャビネット、マイク、マイキングで収録されたIR ファイルを用意することで排除している。
キャビネットとマイクの選択、マイキング位置なんてエンジニアの領域だろ?ギタリストはヘッドアンプのトーンを調整することだけに注力して演奏を楽しんでくれ!!という意味合いが多分に込められていると感じる。
実際、これのおかげで音作りがめちゃくちゃ楽だし、誰でも簡単にPRS の特徴的なアンプサウンドを楽しめる思う。
よりディープな設定も用意されている!!
誰でも簡単に音作りができるので初心者向きかと思いきや、実は玄人向きのマニアックな部分までカスタマイズすることが出来る。
上記のようにBIAS とSAG の設定が可能。
音作りで軽く意識して欲しいがSAG とSPEED なんだけど、これはサウンドのダイナミクスに大きく関わってくる。一番分かりやすいのが、深く歪ませた時のブリッジミュートかな。
SAG を上げるとアタックのタイト感がなくなる代わりにズンズンと低音が効いてくる。ただ、サウンドがのっぺりしてくるので上げ過ぎは禁物。
正直、ここはあまり意識しなくてもいいポイントだけど、真空管のBIAS やSAG を設定できるようにしているのが、決して初心者のみを対象にしたアンプシミュでなく、誰もが満足できる設計になっていると思う。
演奏を楽しんでくれ!!
PRS SuperModels について、特徴的なブースト部分など正直まだ全部を語り尽くせていない。
簡単な操作性で抜群のトーンが得られるというが、PRS SuperModels の最大の強みであり、音作りという煩雑な工程をできるだけ省略し、最短で自分の欲しているサウンドに辿りつけるアンプシミュだと感じる。
本当に皆にオススメしたい。