スタッフY です。
先月からレビューしているWaves Chris Lord-Alge Signature Series も残すところ僅かとなってきました。これまでは基本となるボーカル、ギター、ベース、ドラムのエフェクトに関してレビューしてきましたが、それらをご覧頂ければChris Lord-Alge Signature Series がどれだけロックテイストに合ったプラグインかお判り頂けると思います。

さて、ロックな楽曲であってもピアノやストリングス、シンセパッドなどを使う方が多いのではないでしょうか?鍵盤に疎い私もラウドなギターとピアノの組み合わせが大好きですし、ロックバラードではそれらのパートなくして語れませんよね。
ということで、今回はピアノやストリングスなどの全てのパートを担っているWaves CLA Unplugged をご紹介します!!

2 種類のリバーブによる空間処理
CLA Unplugged の外観を見て頂くと分かるように、他のエフェクトとは違い2 種類のリバーブを搭載しています。さらに、それらのリバーブに関してテンポに個別に同期したプリディレイを設定可能です。
これによりソースに適したリバーブを適用することが出来ますし、プリディレイを操作することで原音が埋もれることなく自然なリバーブ処理が行えます。プリディレイがテンポに同期しているので、楽曲の邪魔をすることがないリバーブが適用しやすいのではないでしょうか。
また、リバーブのプリディレイに関してCLA Unplugged のサイト上で
私はずっとAerosmithの”Dream On”で使われた、本当に長いプリディレイを含むボーカルリバーブが大好きでね。
と書いてありますが、そのようなリバーブがこのCLA Unplugged でいとも簡単に作れてしまいます。Aerosmith のDream On を聴いたことがない方は是非一度聴いてみてくださいね。ボーカルから遅れて聞こえてくるリバーブにすぐに気付くと思います。
肝心のリバーブに関してはとてもクリアーで使いやすい音ですね。
スムーズな掛かり方をするEQ
このCLA Unplugged のEQ は他のエフェクトに比べてとてもスムーズな掛かり方をします。他のエフェクトでは特定帯域を狙った上げ下げのように感じていましたが、CLA Unplugged ではQ 幅がもっと広く取られているような感じです。
特にブーストした時の音がとても気持ち良いです。
「Q 幅が広いように感じる」と書きましたが、余計な帯域が持ち上がってこないというのがこのEQ の凄いところです。あくまで音楽的なんですよね。過度にブーストしてもジャリジャリいうことがないので、初心者の方でも扱いやすいEQ だと思います。
CLA Unplugged はピアノやストリングス、シンセなどで使えるようになっているようですが、篭りがちなこれらのパートにCLA Unplugged のEQ でハイを突くだけで楽曲の中で埋もれないミックス処理が出来るでしょう。
また、見逃せないのが、このEQ でリバーブの音を相対的に処理出来るという点です。
CLA Unplugged はセンドエフェクトとしてAUX トラックなどで使うことも想定されているので、上記画像にあるように「DIRECT」をOFF にすることでエフェクト音のみになります。
この状態でEQ 処理をするとエフェクト音のみ響き方が変わりますので、センドエフェクトとして使うことで原音は保ったままリバーブのみ聴こえ方をよりクリアーにするといった処理が行えます。
スムーズなEQ とリバーブの相性が抜群に良いのがポイントですね!!
総評
Chris Lord-Alge Signature Series の他のプラグインと比べると、なんとなく影に隠れてしまいがちなCLA Unplugged。名前からして静かなエモーショナルな楽曲でしか使えないんじゃないか?と思われそうですが、ロックな楽曲のピアノやストリングスなどにとても最適なプラグインだと感じます。
これらのパートにスムーズなEQ でブースト処理を施すことで、周りの音に負けない存在感が簡単に出せるでしょう。ピアノやストリングスのEQ 処理が苦手な方にはとても心強いプラグインだと感じますし、シンセサウンドとも相性は大変良いですよ!!
大体これらのパートはハイを突くことが多いですからね。それをこのCLA Unplugged の簡単操作で気持ち良く適用しちゃって下さい。
2 系統のリバーブに関しては、これらのパートだけではなくボーカルなどに使用しても良いと思います。テンポに同期しているプリディレイによって原音が埋もれるというのを回避しつつ、自然な残響も付けやすいのではないでしょうか。