ギターの音作りにおいて、エンハンサーはあまり馴染みのないエフェクトかもしれない。ただ、埋もれがちのギターの存在感を出すのに最適なエフェクトだと思ってる。
エンハンサーでギターの音を際立たせよう!!
エンハンサーの効果は?
一言で言うと、原音に倍音成分を付加して音を煌びやかにするエフェクト。
よくEQ と比較されるけど、EQ は狙った帯域のボリュームを増減させるのに対し、エンハンサーは上記の通り、狙った帯域の倍音成分を付加する。
エンハンサーを使う場面は?
ギターの音を自然によりカッコよくしたいとか、際立たせたいとか。そういった場面で威力を発揮する。ここでのキーワードは「自然に」ってこと。
使うエフェクトはエンハンス効果が得られるものであれば何でも良いけど、DAW 内で使うのであれば、Waves Vitamin を個人的にオススメする。

何故、Waves Vitamin をオススメするのか?
Waves Vitamin はマルチバンド・ハーモニック・エンハンサーという、5バンドのエンハンス処理が行えるというのが強み。
マルチバンド系なので設定が難しいと思うかもしれないけど、ひとたび慣れてしまえば、これほど簡単にイメージに沿ったエンハンス効果を付加できるプラグインはそうそうない。
ギターの音作りで使用する際は、5バンドを”太さを足す帯域”、”厚みを足す帯域”などと分けるような形でクロスオーバーポイントを設定し、各帯域のフェーダーの上げ下げで音を調整しよう。
ギターの周波数ポイントについては、以下の記事がオススメ。
実際に、以下のギタートラックに対してWaves Vitamin で音を調整してみる。
上記の状態でもそれなりに良い音なんだけど、もう少し太さや鳴りを出してみる。その際に、EQ をチョイスする方が多いと思うけど、自然に付加したい場合はエンハンサーが適している。
※エンハンサー適用後
今回のWaves Vitamin の設定は以下。
ポイントは、“ローからローミッドで太さ”、”ローミッドからハイミッドで厚み”、”ハイミッドからハイで抜け”といった感じでクロスオーバーポイントを設定し、欲しい帯域の倍音成分を足していくようなイメージで整えること。そして、最終的に原音と各倍音とののバランスを考えてMIX 量を調整すること。
今回は太さや鳴りを出したかったので、その帯域をプッシュしつつ、邪魔な低域や高域はあまり付加していない。
気持ち的に結構プッシュして倍音を付加しているにも関わらず、めちゃくちゃ自然に音が仕上がっていると思う。これがエンハンサーの最大の特徴であり、各帯域のクロスオーバーポイントを設定できるWaves Vitamin の強みが存分に生かされている。
エンハンサーかけっぱなしでもOK!!
エンハンサーというエフェクトはギターでいうブースターのような印象があるかもしれないが、曲内を通してかけっぱなしでも全然構わない。
実際に、前回のギターカバー動画では常にエンハンサーをかけっぱなし。だからこそ、存在感のある弾いてて気持ちいいサウンドになっている。
是非、みんなもエンハンサープラグイン、Waves Vitamin をギターに使ってみてくれ!!
