ダイナミクス系エフェクトはコンプレッサーだけでなく、耳障りな「ess」、「shh」といった歯擦音を軽減するディエッサー、フロアノイズ等を軽減するゲート、ある一定以上のサウンドを徹底的に抑え込むリミッター等、色々ありますよね。
今回紹介するWaves eMo D5 Dynamics は、それらダイナミクス系エフェクトをひとつにパッケージングしたプラグイン。1画面でダイナミクスを素早く整えることができますよ。

オールインワンダイナミクスエフェクトを使ってみよう!!
Waves eMo D5 Dynamics は名前から分かるように5 つのD(ダイナミクス)、ゲート、レベラー、ディエッサー、コンプレッサー、リミッターという馴染み深いダイナミクスエフェクトを1画面に詰め込んだエフェクトになります。
まさに、ダイナミクスのオールインワンエフェクトですね。
補正用途として突き詰めたプラグイン
eMo D5 Dynamics は、デジタル系ならではのクリアな質感。味付けがない分、目立った特徴がないと言えばないんですが、その特徴のなさが逆にeMo D5 Dynamics を使う最大の理由になってきます。

上記の記事に書いているように、eMo D5 Dynamics のようなデジタル系コンプレッサーは非常に細かく柔軟に設定できるため、汎用性が高く補正用途に向いているんですよね。その上、冒頭で書いたように、ディエッサーやリゲート、リミッター等を全部詰め込んでいるため、ダイナミクスに関わる処理はこれ1 台で素早く処理出来てしまいます。
柔軟に素早く設定してダイナミクスを整えるというのは、補正用途として使う上での必須ポイントだと思います。eMo D5 Dynamics はまさに、それを突き詰めたダイナミクス系プラグインです。
同社C1 をより使いやすく
初めてeMo D5 Dynamics を見た時、「これって同社のC1 じゃないの?」って正直思いました。
商品コンセプトは似てますが、eMo D5 Dynamics の方がより使いやすくなってます。と言うのも、各ダイナミクスプロセスがほぼ独立して並行で処理されるため、例えば、コンプレッションさせながらディエッサーで歯擦音を軽減する、コンプだけでは抑えきれない突発的なピークを、リミッターで同時に抑え込むといった複合的な使い方が出来るためです。
また、eMo D5 Dynamics でしか使えないレベラーも良い味出してます。レベラーはスローアタック/スローリリースのダイナミクスプロセス。ザックリ言うと、RMS的に処理されるコンプレッサーです。
処理アルゴリズムの異なるコンプを並行で使えるため、ピークを抑えつつ音圧を整えることも可能です。
エフェクトチェインが存在しない並行処理
先程から「並行で処理される」と書いていますが、eMo D5 Dynamics ではエフェクトチェインが存在しないというも大きなポイントです。
ダイナミクス系エフェクトを複合的に使う場合、エフェクトチェインに対して直列に挿して使うと思います。例えば、「ゲート→コンプ→ディエッサー→リミッター」のような流れで直列に繋ぐような形ですね。
ただ、このやり方だと、前のエフェクトの結果が後ろのエフェクトの結果に影響してしまうため、あるエフェクトの設定を変えると、後段のエフェクトの設定も同時に調整する必要が出てきます。特にダイナミクス系エフェクトの場合、レスポンスへの影響が出てしまうと結果が大きく変わってしまうため、直列に繋ぐことのデメリットがより大きく出てしまいます。
その点、eMo D5 Dynamics は直列ではなく、各ダイナミクスモジュールが独立するような形で並行で処理されるため、どのモジュールの設定を変更しても、他のモジュールのレスポンスに影響を与えることはありません。そのため、素早く柔軟に設定することが可能です。
オールインワンダイナミクスエフェクトを使ってみよう!!
ダイナミクス系エフェクトのオールインワンであり、各モジュールが並行で処理されるため素早く柔軟に設定出来る。補正用途でeMo D5 Dynamics の右に出るダイナミクスプラグインは他にないと思います。
このように便利なダイナミクスプラグインがひとつでもあると、音楽制作の助けになってくれるはす。
是非、一度手にとって使ってみて下さいね。
