Waves 日本公式サイトにて、Gold バンドルに収録されているプラグインについて語り合う座談会が開かれていました。なぜ僕を呼んでくれなかったのか。ういろうと味噌煮込みうどんを持参して参加したのに。←

そこで今回は、Goldバンドルプラグイン座談会に勝手に参加してみました。
Goldバンドル収録プラグインの魅力を紹介します!
過去の記事でオススメのバンドルとして挙げているように、今でもGoldバンドルに収録されているプラグインを使い続けています。僕が今でも使っているプラグインを中心に、それらの魅力を短く書いていこうと思います。

C1 Compressor
非常に細かく柔軟に設定できるデジタル系コンプレッサーです。

余計な味付けがなく切れのいいコンプ感。味付けがまったくないコンプって意外と少ないもの。Waves 初期のプラグインでありながら、今でも使っている方が多いのも頷けます。

1バンド・ダイナミクスプロセッサーと銘打っていることから分かるように、指定した帯域だけコンプレッションさせる、指定した帯域をトリガーしてコンプレッションさせる等、フィルターを活かした柔軟なダイナミクス処理ができるのも特徴です。

味付けをすることなく、柔軟にコンプレッションさせたい時に重宝するコンプレッサーですね。
C4 Multiband Compressor
あらゆるトラックに使えるマルチバンドコンプレッサーです。

動作タイプとして”Opto”と”Electro”が選べるため、トラック単体からバストラック、マスターに至るまで幅広く使えるのがポイント。オートリリースが付いているため、初心者の方でも安心して使えます。

僕は上位版のC6 を使うことが多いですが、C4 もC6 もコンプの機能的にはほぼ同じです。DAW 標準マルチバンドコンプレッサーから一歩進みたい方にオススメですね。
Doubler
ダブリングに特化したプラグインです。

ダブリングさせるためにはショートディレイを使いますが、ディレイタイムをどうするのか、原音に対してディレイ音をどの程度含めるのか等、注意すべきポイントがいくつもあります。ダブリングは意外と難しいエフェクト処理なんですよね。
Doubler はそんな面倒なことをいちいち考えなくてもいい。コイツは挿すだけでイケます。

デフォルトの状態で最高のダブリング効果が得られるのがポイント。ダブリングには機械的で不自然な違和感が付きものですが、その違和感がまったくない。こんなに簡単にダブリングできていいものかと驚くほどです。
Eddie Kramer Drum Channel
ドラムの音作りが誰でも簡単にできちゃうプラグインです。

見た目から古めかしいサウンドを連想しがちですが、クリアで汎用性のあるサウンドに仕上げることができます。

立ち上げた状態でベストセッティングになるように設計されているため、プラグインを通しただけで使える音になるのがポイント。好みに応じてEQ やコンプの加減を調整するだけ。作業時間の短縮も期待できます。
とにかくチート感がヤバい。イチから自分の手で音を作るのを辞めてしまうレベルです。
GTR3
オールインワン・アンプシミュレーターですね。

昨今のアンプシミュはサウンドクオリティが高く、それらと比べると見劣りします。ですが、“DTM 入門者がDAW 標準エフェクトから一歩踏み出す”という立ち位置で考えると、今でも十分過ぎるサウンドがかき鳴らせます。

収録されているペダルエフェクターが単体使用できるのが地味に嬉しいポイント。ギターやベースの音作りだけでなく、シンセ等の音作りにも積極的に使っていきましょう。
H-Comp Hybrid Compressor
デジタルとアナログの良いどこ取りをしたコンプレッサーです。

コンプで最も重要なアタックとリリースを簡単に調整できるのがポイント。H-Comp 独自の「Punch」機能で潰しすぎたアタック部分を取り戻すことができます。テンポに同期したリリースでトラックのグルーブ感を活かすことができます。

アナログタイプのコンプレッサーには、コンプレッションによって目立って聴こえてくる帯域があり、それが独自の質感に繋がっています。H-Comp ではタイプを切り替えることによって様々な質感が楽しめます。もちろん、色付けのないクリーンな質感を選択することもできます。
個人的にはバスコンプとして使うことが多いですね。

H-Delay Hybrid Delay
デジタルとアナログの良いどこ取りをしたディレイです。

とにかく質感が最高。LoFi モードによる高域のロールオフとフィルターの組み合わせで、ディレイ音の質感を簡単に調整できます。アナログ感がいらない時は、クリアな質感を保ったまま使うこともできます。質感のコントロールができるからこそ、楽曲にうまく馴染ませることができます。

僕が使っているディレイはコレ一択です。
L1 Ultramaximizer
音圧を上げるマキシマイザーです。

Waves L シリーズにはL1 以外にもL2、L3とありますが、L1 はクリアな質感から最も遠いです。気を抜くとすぐに歪みます。ですが、L1 の良いところはその質感。すぐに歪んでしまうような荒れた質感だからこそ使いたくなります。
僕はドラムのバスコンプとして、ドラムの各パーツの余韻を持ち上げるイメージで使うことが多いです。

MondoMod
トレモロ、ビブラート、オートパン効果を一度に得ることができるモジュレーションエフェクトです。

音作りにおいてモジュレーションは欠かせないエフェクト。多くの場合、音量やピッチ、パンニングは個別のエフェクトで調整しますが、MondoMod はそれらを同時に調整できます。

「揺らす」という意味では、ものすごく汎用性が高いプラグインですね。
MV2
音を潰さずにダイナミクスレンジを揃えるコンプレッサーです。

コンプレッサーとは大きな音を潰してダイナミクスレンジを揃えるエフェクト。あえて悪い言い方をすれば、大きな音を犠牲にしてダイナミクスレンジを整えるエフェクトとも言えます。
一方、MV2 は大きな音には一切手を付けず、小さな音だけを持ち上げてダイナミクスレンジを揃えます。大きな音を犠牲にすることなく、ダイナミクスレンジを揃えることができます。圧縮されているようなコンプ感もありません。

Q10 Equalizer
超定番デジタルEQ です。

10バンドというバンド数の多さ、味付けのないクリーンな質感がポイント。共鳴している帯域をピンポイントで削るのに効果的です。無味無臭でクリーンな質感だからこそ、今でも愛用者が絶えないEQ だと思います。
Renaissance AXX
ギター、ベース用コンプレッサーです。

アタック部分の「ジャキッ!」とした潰れ方が、ギターやベースにめちゃくちゃマッチします。深くリダクションさせてもコンプ臭くならないのもポイント。パラメータが少なく、スレッショルドを下げるだけでイケちゃう程のシンプルな操作性も魅力です。
ギターやベースのコンプは慣れていないと難しいもの。抑揚がなくなってしまうケースが多いと思います。Renaissance AXX は誰でも簡単に抑揚を維持しながら、ギターやベースのレベルを安定させることができます。

僕はアンプシミュの前段で使うことが多いですね。
Renaissance Compressor
ほどよいアナログ感が魅力的なコンプレッサーです。

光学式(Opto)、Electro(電子式)という2 つの異なるタイプを選択できるため、あらゆるトラックに使えるほど汎用性が高いのがポイント。オートリリース機能によって、誰でも簡単に安定したコンプレッションが得られます。
ほどよいアナログ感がとにかく最高。アナログ機器をモデリングしたコンプレッサーと比べると自己主張は少ないですが、この控えめな質感がお気に入りです。
今なお、僕が使うコンプレッサーの筆頭ですね。
Renaissance Equalizer
デジタルEQ でありながら、アナログライクでスムーズなEQ 処理が魅力です。

デジタルEQ にある鋭さとは対局に位置するような柔らかさが特徴。ガッツリEQ 処理しても音が破綻しません。先程紹介したQ10 とは真逆のEQ ですね。
S1 Stereo Imager
ステレオの音像を自由自在に操れるステレオイメージャーです。

一般的なステレオイメージャーは広がりを出すステレオ感の調整が主ですが、S1 Stereo Imager は広がりだけでなく、定位、左右の音量バランスまで調整できるのがポイント。ステレオの音像を自由自在に操れます。

TrueVerb
ルームタイプのリバーブです。

部屋の広さ、音源からの距離を変えるだけで、最適なプリディレイ、初期反射音とリバーブテイルを設定してくれるのがポイント。煩雑な調整をすることなく、イメージ通りの部屋なりが得られます。
同じ空間で鳴っているように馴染ませたい時に使いたいリバーブですね。
V-Comp
NEVE 系ビンテージコンプレッサーです。

ガッツ感溢れるサウンドが魅力。とにかく派手でパンチ感のあるサウンドは、ロックテイストの楽曲にマッチします。ですが、その強烈なキャラクターのため、好き嫌いがハッキリと分かれるコンプレッサーだと思います。

使いどころは制限されますが、このサウンドキャラクターが好きな人にはなくてはならないコンプレッサーですね。
V-EQ
NEVE 系ビンテージEQ です。

ブースト方向にザックリと、音作りとして積極的に使いたいEQ です。とにかくザックリ感が良い。
先程紹介したNEVE 系コンプレッサーV-Comp は使いどころが制限されますが、V-EQ はジャンルを選ばず使える汎用性の高さもポイントです。
Vitamin Sonic Enhancer
マルチバンドのエンハンサープラグインです。

明瞭感、パンチ感、ステレオ感、サチュレーション。それらを組み合わせることで、楽曲内で埋もれないサウンドに仕上げることができます。EQ とは違う、コンプとも言えない独特のエフェクトですね。

Gold バンドルに収録されているプラグインの中で、最も他では代用できないプラグインだと思います。